活動事例

地域音楽コーディネーター 一般社団法人 日本音楽医療福祉協会 代表理事 神奈川県 落合洋司さん

キャプ
さむかわ音楽ひろば
■活動テーマ:
~音楽でつなぐ認知症と共生社会~
■目次:
■活動開始時期:
2020年~現在
■場所:
神奈川県横浜市、平塚市、海老名市、寒川町他の福祉会館、福祉施設等
■対象:
認知症高齢者

1.きっかけ

私は以前ギター講師として20年間、大手の音楽教室に就職し、レッスンや運営に従事しておりました。2020年1月頃、地域のFMラジオ局の番組に出演する機会があり、このときの番組テーマは「高齢者と音楽」でした。その際、ご一緒に出演されていた認知症専門医の内門大丈医師が、現在日本では認知症の方が増えている状況(65歳以上で5人に一人)と今後の予測(2040年には3人に一人)をお話しされ、医療・福祉・介護を音楽でつなぐ共生社会の実現に向けて意気投合し、この思いを具体化するため、内門大丈医師と共に、同年2020年6月に一般社団法人日本音楽医療福祉協会を立ち上げました。

2.具体的な内容

(1)目的

①認知症ケアへの貢献

認知症を持つ方々に対して、音楽を用いた非薬物療法のプログラムを提供し、生活の質の向上(QOL*1の維持・向上)を目指す。

*1)QOL:Quality of Lifeの略で人生に充実感と満足感を持って生活すること

②現場ですぐに実践できる音楽でのケアの普及と発展

医学的・科学的根拠に基づいた音楽の効用を広く社会に伝え、医療・介護従事者に向けての育成、資格認定、及び研究活動を推進する。

③社会的な孤立の解消

音楽を通じた交流の場を提供することで、認知症の方々やそのご家族、介護者が社会から孤立することなく、生きがいを持って生活できる環境づくりに寄与する。

<具体的な効果>
  1. 幼少期や若い頃に慣れ親しんだ音楽(童謡、流行歌など)を聴くと、当時の記憶が鮮明によみがえることがあります。これは、音楽を聴いたときの感情や環境と結びついた記憶が、脳の深い部分に保持されているためです。
  2. 歌詞を口ずさんだり、聴いている最中に思わず手拍子や身体を動かす動作が生まれ、これが脳の広範な領域を活性化し、認知機能の維持・改善に役立ちます。
  3. 一緒に歌ったり、リズムを共有したりすることで、非言語的な方法で他者と感情を分かち合うことができます。
  4. 介護者や家族が一緒に音楽活動に参加することで、相互理解が深まり、安心感や信頼感を築く助けとなります。言葉の壁を越え、感情を表現する手段を提供します。

(2)活動内容

A.オレンジカフェ

認知症の方とそのご家族、そして地域住民や医療・介護の専門職など誰もが気軽に参加できる「集いの場」です。行政と連携して毎月1回(1時間)下記の場所で開催しています。

開催場所:神奈川県 横浜市、平塚市、海老名市、茅ケ崎市、寒川町

B.音楽で集う交流サロン(音楽ひろば)

認知症の方とそのご家族の両者を支える「集いの場」です。平塚市との業務委託として毎月2回(2時間)開催しております。ここでは医療・介護専門職が必ず参加し、認知症の方とそのご家族が一緒に活動できるコンテンツとして歌唱や楽器演奏を用いて行っています。

C.街フェス ひらつかオレンジフェス

ひらつかオレンジフェスは、9月の「認知症月間」(*2)に合わせて平塚市が医療、福祉、その他の関連分野共催で開催される認知症への理解を深めるための啓発イベントです。

*2)認知症月間:国際アルツハイマー病協会(ADI)と世界保健機関(WHO)が定め日本では2024年1月に施行され、9月21日は認知症の日となっている。

「認知症になっても暮らしやすい社会」の実現を目指し、認知症に対する否定的なイメージや偏見をなくすことを目的としています。認知症の方ご本人やご家族とともに、医療・介護従事者も一緒にウクレレ中心に参加する音楽隊(オレンジオーケストラなど)の演奏で「共に歩む希望の輪」というメッセージを伝え、平塚市へ活動を広げています。

3.成果と課題

オレンジカフェは、音楽を通じて行政と連携して5か所で開催し、病院、高齢者施設と幅広く活動を広げてきました。現在は他の行政機関や認知症を支援する団体からオファーを頂いてもスタッフが足りず…今後はこの活動に賛同し一緒に広げていける人材育成のため、資格制度【音楽コミニュケーション士】を立ち上げる予定です。

4.抱負

来年の「ひらつかオレンジフェス」は規模が大きくなり、会場もひらしん平塚文化芸術ホールの大ホールにて開催予定で活動が更に拡大しております。人材育成にも力を入れて「音楽活動通じて、認知症に携わっているに人たちが心豊かに暮らせる社会を創る」を実現させるため、これからも尽力していきます。
音楽で明るい未来を!

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