音楽文化の創造(CMC)

電子版 Vol.11

2020年1月16日発行

Vol.11 特集「生涯学習のふりかえりと展望」

        

我が国の生涯音楽学習を取り巻く環境は、音楽振興法(平成6年)

        

文化芸術振興基本法(平成13年)の制定とともに整備され、これまで様々に発展してきた。

        

本特集では、今後の国の文化政策と生涯音楽学習の関係を俯瞰しつつ、音楽文化発信の拠点としての文化施設のあり方の変化や、

        

私たちの社会における生涯音楽学習の変化を通して、将来を展望したい。

        

これまでの歩みとこれから、そして国の文化芸術政策を踏まえた将来を展望したい

 

「我が国の文化芸術政策の新たな展開へ」

           

我が国の文化芸術振興政策の根拠となる文化芸術振興基本法が制定され16年が経過した2017年、少子高齢化やグローバル化など社会の大きな変化に対応し、文化芸術の新たな価値の創出とその価値を社会に活そうと、「文化芸術基本法」と名称もあらたに改正…

文化芸術振興フォーラム 事務局長 大和 滋

「我が国の文化芸術政策の新たな展開へ」 より 

 

「公共文化施設ができること」~わがまちのシンボル・文化の城に~

           

全国各地には、公民館や県民ホール、県民文化会館など、(公財)全国公立文化施設協会に正会員登録 されている施設だけでも、1,300 を超え、加盟していない施設を含めると3,000 ほどの公共文化施設がある。1980年代に大阪や東京に民間の2000…

公益財団法人横浜市芸術文化振興財団 横浜市磯子区民文化センター杉田劇場 館長  中村 牧

「公共文化施設ができること」~わがまちのシンボル・文化の城に~ より 

 

「シリアスレジャー時代の生涯音楽学習」

           

昭和女子大学 専任講師 歌川 光カナダの社会学者ロバート・ステビンスは、長期的に専門性を追求して楽しむ、アマチュア、趣味 人、ボランティアの実践を、「シリアスレジャー」と呼んでいる。杉山昂平によれば、シリアスレジャ ーは欧米圏ではポピュラー…

昭和女子大学 専任講師 歌川 光一

「シリアスレジャー時代の生涯音楽学習」 より 

連載:音楽とキャリア -人生100年時代に向けて-

第 4 回:社会を変革するアーティスト・シティズン
アーティスト・シティズンとは、「芸術活動によって社会を変革していこうとするアーティスト」を指す。「アウトリーチ活動」は今では当たり前となり、近年では「ソーシャル・エンゲージメント」あるいは「ソーシャル・インパクトsocial impact」ともいう。音楽家と社会との連携を超えて、音楽家が積極的に社会の問題や課題に挑戦する時代がきただ。ここでは、地域にある課題を音楽家として、あるいは音楽活動を通して、どのように解決していけるかを考えてみたい。

音楽学者  久保田 慶一