音楽文化の創造(CMC)
電子版 Vol.30
2024年10月1日発行
Vol.30 特集「AIと音楽」
AIの著しい変化が大きく社会を変えようとしています。
すでに我々の生活に浸透しており、さまざまな面で我々をサポートしてくれる一方で、
AIによって多くの仕事が無くなってしまうとの予告がされています。
そして、生成AIの登場は非常に大きな衝撃でした。
生成AIは文章だけでなく、画像や音声、デザイン、科学的な仮説の提案などの幅広い分野に応用することができ、
その影響はビジネス界にはもちろん芸術や教育にも広く及んでいます。
そこで、今号は「AIと音楽」というテーマでAIと音楽の関係を取り上げ、
AIによる音楽生成の現状とAIが音楽にもたらした変化やAIがもたらすであろう影響について、
論じてもらうと同時に音楽の授業に及ぼす影響についても取り上げます。
AIの音楽への活用の未来に向けて
皆さんは、AI(人工知能・artificial intelligence)と聞くとワクワクするだろうか。それとも畏れを抱くだろうか。『AIの活用によって各種家電が万能になって日常生活が更に便利になるのでは〜』などと期待する方もいれば、『AIによる自動運転のタクシ…
洗足学園音楽大学 教授
日本AI音楽学会 会長 松尾 祐孝「AIの音楽への活用の未来に向けて」 より
音楽生成AIと創造性
2022年秋に米国で ChatGPT のサービスが始まり、2023年半ばあたりから、「生成AI」というシズル感のあるタームが我々の社会や生活に浸透してきている。これに先立ち、IT巨人GAFAMの一角 Googleが 2012 年頃から深層学習に関する研究を本格化…
関西学院大学 学生 川口 竜斉
関西学院大学 教授 片寄 晴弘「音楽生成AIと創造性」より
生成AIを用いた音楽科の授業の提案とその影響
現在私たちを取り巻く音楽には、様々な形で生成AIが活用されている。生成AIは、深層学習を通して旋律や和声進行をもつ楽曲データや特定の人物の歌声や話し声に似せた音声データなどを作り出すことができる。2022年には松任谷由実が荒井由実として活…
宮城教育大学 准教授 木下 和彦
「生成AIを用いた音楽科の授業の提案とその影響」より