音楽文化の創造(CMC)

電子版 Vol.13

2020年7月1日発行

Vol.13 特集「心と音楽-生涯音楽学習にも関連して」

私たちの社会に不安が広がり混沌とした時には、「心に潤いを!音楽の力を!!」といわれることが多い。

私たちの目に見えない心。可視化が難しい「心」と、生まれては消えていく「音楽」はどのようなかかわりをもっているのだろうか。

本号では、心と音楽を主軸としながら、生涯音楽学習にも関連させつつ、改めて再考したい

音楽産業「心と音楽」〜「心」を投影するデジタルコミュニケーション

日本の音楽産業は約6,000 億市場で、その主な収益は音楽ソフトの売上で構成されてきた。しかし2005 年以降、音楽ソフトの売上高は毎年減少をたどり、音楽配信へと移行していく。2009 年以降はスマートフォンの普及やネットワ ークの整備などにより…

エイベックス・エンタテインメント(株)

レーベル事業本部SPU マネージャー兼ゼネラルプロデューサー

国立音楽大学非常勤講師 油井 誠志

「音楽産業「心と音楽」 〜「心」を投影するデジタルコミュニケーション〜」 より 

「生涯音楽学習における音楽的意味と学びの編み直し」

生涯音楽学習は、「すべての人々が生涯にわたって、そしてあらゆる次元で行う、自由な音楽活動(音 楽の享受・表現・創造)そのものを意味する概念」である。生涯音楽学習は、乳幼児期から老年期に至る個人的な発達過程における“垂直”的次元と、学校…

三重大学教育学部准教授 川村 有美

「生涯音楽学習における音楽的意味と学びの編み直し」 より 

2011年 4月発行

雑誌CMC 60号特集「音楽と記憶~懐かしさがよみがえる音楽」

【リード文】懐かしいメロディを聴くと、その曲を聴いていた頃の懐かしい情景、人々の表情、交わした会話や、空気感など、その時の気持ちや光景がありありとよみがえってくる。 昔も今も愛される楽曲の背景には、個々人に刻まれた記憶とその楽曲との特 別なつながりがある。単にその曲を懐かしむのではなく、その曲を通して人生そのものを振り返るとも言えるのだろう。 今回は音楽と記憶の関係をみてみよう。もっと見る

特集・音楽と記憶 「歌いたい、話したい、懐かしい曲」  野中 寿美子

特集・音楽と記憶 「音楽療法における記憶の役割~音楽回想法について」  竹内 貞一

投稿論文

高等学校におけるLTD 話し合い学習法の研究 – 音楽史の授業実践と課題についての考察 –

青山学院大学系属浦和ルーテル学院小中高等学校 非常勤講師

東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程1 年 中村 仁

投稿論文

個人による公益活動の可能性 ―市民協働型音楽イベント「60 歳からの音楽祭」の実践報告―

生涯学習音楽指導員  三上 香子

連載:音楽とキャリア -人生100年時代に向けて-

第6回:社会で必要とされる音楽や音楽家とは?
現在、日本のみならず、世界中で、新型コロナウィルス感染拡大によって、 人々は未知のウィルスと戦いつつも、将来の不安におびえ、音楽家たちも 活動の停止が余儀なくされている。社会に必要 とされる音楽や音楽家とは、社会で音楽が必要とされていることを見つけ出し、 行動を起こす人たちと、これまでは信じられてきたが、コロナ後はどうなのだろうか。音楽家は「エッセンシャル・ワーカー」と言えないのであろうか。 ここでは、パンデミック下にある日本の社会で、音楽家はどうあるべきなのかを考察するきっかけを提示してみたい。

音楽学者  久保田 慶一