地域音楽コーディネータ― ヴァイオリニスト Ensemble espoir 主宰 東京都 澁江美加さん

- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2023年4月29日(土・祝日)
- ■場所:
- 東京都江東区深川江戸資料館 小劇場
- ■対象:
- 一般
- ■活動内容
1.きっかけと目的
私たちがこのコンサートを始めたきっかけは、小児がん治療に使われる無菌室が足りなくなって困っているというニュースを目にしたことでした。それまでは小児がんを取り巻く環境は恵まれているものだと思っていましたが、そのニュースをきっかけに小児がん医療には無菌室の不足だけでなく、本当に様々な課題があること、多くの支援を必要としていることを知りました。大人のがんに比べ患者数がすくないことで一般的に知られていないことの多い小児がんについて、まずは一人でも多くの方に知ってもらいたい、そして支援の輪を広げたいとの思いからこのコンサートを始めました。小児がんの子供たちの未来が明るく輝くものとなるように、私たちはチャリティーコンサートいう形で応援したいと思っています。
2.コンサート内容
2017年に始めて5回目となる今回のコンサートでは江戸時代の街並みを再現した深川江戸資料館の小劇場が会場ということで、江戸時代を中心とし日本の音楽と世界の音楽を集めて弦楽四重奏Ensemble espoirのメンバー巻渕麻利子&松田華奈(ヴァイオリン)澁江美加(ヴィオラ)畑野光恵(チェロ)の演奏と小児がん経験者によるハンドベル演奏、国立成育医療研究センター・小児がんセンター(*1)長の松本公一先生のお話という構成で行いました。チケットは誰でも気軽にご来場いただけるように無料にして、趣旨にご賛同いただけた方には演奏の対価として募金をしていただく形をとることにしています。お預かりした寄附金は、小児がん医療に役立てていただくために全額、国立成育医療センターにお届けします。

3.成果と課題
全くの手探り状態から始めたこのコンサートも5回目となり、ようやく手応えを感じられるようになりました。少しずつ来場者が増えてきて、その方々より小児がんのことを知ることができて良かった」とか「今度は友達を誘ってきますね」など嬉しいお言葉を頂戴し小児がんに対する支援の輪の広がりを実感しています。今後の課題としては、会場と運営資金の確保です。両方とも自分たちでできることに限りがあるので、ご協力いただける個人、会社や自治体に働きかけをしていきたいと思っています。5回のコンサートという実績を作り上げてきたことにより、こういった働きかけも容易になったのではないかと思います。その一つとして今回のコンサートに地元議員の方数名をお誘いし、ご来場いただきました。
4.今後の抱負
今回は会場にちなんで「江戸」を意識したプログラムにしたところ、お客様に好評を頂きました。コンサートの趣旨は小児がんを広く知ってもらうことですが、音楽家としては音楽を楽しんでいただき、興味を持ってもらうきっかけになるような魅力的なプログラムを考えることも大切だと考えています。また音楽だけではなく、小児がんサバイバーの方の絵画や写真などの展示、小児がん支援のための「レモネードスタンド(*2)」などとのコラボができないと模索中です。これからも決して敷居の高くない、ふらっと気軽に立ち寄り、小児がんについて知ってもらえるようなコンサートを目指したいと思っています。
*2)レモネードスタンド:アメリカで広がった小児がん支援の活動
(2023年6月22日公開)
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