音楽文化の創造(CMC)
電子版 Vol.24
2023年4月1日発行
Vol.24 特集「部活指導者の資質・能力」
近年、学校教育現場でも「働き方改革」の必要性についての認識が高まる中、
特に部活動のあり方について、これまでと異なる取り組みなどが出はじめてきている。
運動部を中心に、外部コーチ、地域の指導者を受け入れることで、その対策とする例が先行している状況にあり、
その波はすでに音楽系の部活動にも及んできているといえる。
一方で、学校教育の枠の中で行われる部活動は、地域の音楽活動という側面だけではなく、
子どもたちの感性や人格形成などに多大な影響を与え得るものであるため、
その指導にあたる人にも適切な資質・能力が求められるところでもある。
この特集では、最近の音楽部活指導の指導者像について、現場の事例なども含めて紹介する。
地域人材に望むこと ―ジュニアスポーツの指導者研究から―
当たり前のように学校に存在する「部活動」ですが、これは世界から見ると非常に特殊なものです。NHKのBS番組「クールジャパン」では2016年に日本の部活動が取り上げられ、身近な学校に若者が年間通して熱中できる活動があることや、その種類の多さ…
東京未来大学こども心理学部 教授 藤後 悦子
「地域人材に望むこと ―ジュニアスポーツの指導者研究から―」 より
吹奏楽部地域移行への可能性と音楽科教員に求められる役割
教員が指導者として運営してきた部活動の在り方は、年々変わりつつある。令和2年9月「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」が文部科学省より提言された。平成29年頃から言われてきた部活動の地域移行が、令和5年度から段階的に始まることにな…
三重県鈴鹿市立白子中学校 音楽科教諭 山本 健太
「吹奏楽部地域移行への可能性と音楽科教員に求められる役割」 より
中学校吹奏楽部の指導者に求められる資質・能力 ―部活動の地域移行をめぐって―
部活動の地域移行が始まろうとしている。有識者による「文化部活動の地域移行に関する検討会議」(以下、「検討会議」)は、令和4年8月、提言をまとめた。 この検討会議発足の背景には、部活動をめぐる2つの課題が存在する。1つは、教師の働き方改…
千里金蘭大学 准教授 岡邑 衛
「中学校吹奏楽部の指導者に求められる資質・能力 ―部活動の地域移行をめぐって―」 より
持続可能な部活動・地域クラブ活動の指導について考える —文化庁の地域移行モデルから見えてくること—
24年の人生で、吹奏楽とかかわって12年になる。中学校・高等学校で吹奏楽部に所属した私は、その後吹奏楽団に所属し、吹奏楽イベントのスタッフとなり、吹奏楽団を立上げ、ついには団長となって吹奏楽団を運営している。全ては中学校で吹奏楽部に入った…
吹奏楽のつどい スタッフ
ういんどあんさんぶる樂楽 団長 竹平 陽「持続可能な部活動・地域クラブ活動の指導について考える —文化庁の地域移行モデルから見えてくること—」 より
吹奏楽部の地域移行 〜意義と課題、地域のあり方と指導者に求められる資質
部活動の地域移行、つまり「学生のクラブ活動の場を学校の外に求めよう」とする動きの背景には大きく分けて主に下記の2つの要因があるとされる。 ①少子化 長らく叫ばれ続けていた少子化の波は時代を経るごとに鮮明化し、公立中学校の生徒数は1986年…
地域音楽コーディネーター
東京室内管弦楽団トランペット奏者 エデュケーション・プログラム・アドヴァイザー 作曲家 / 桜美林大学非常勤講師 三澤 慶「吹奏楽部の地域移行 〜意義と課題、地域のあり方と指導者に求められる資質」 より
部活動の外部指導員として求められること
近年、部活動の指導を外部講師に依頼する学校が増えている。依頼される指導者は、吹奏楽部にフォーカスを当てると、音楽の授業のみを担当し、複数の学校を掛け持ちしている教員、元学校の教員から現役音楽家、現役演奏者からは引退したが、指導者として…
吹奏楽外部コーチ 牧野 早央里
「部活動の外部指導員として求められること」 より