音楽文化の創造(CMC)
電子版 Vol.32
2025年4月10日発行
Vol.32 特集「音楽を語る楽しみ」
生涯学習音楽を考えていく際、演奏や歌唱の享受、指導、伝達等の実践に焦点を当てがちだが、
音楽文化の裾野として、楽曲を聴き、その良さや好きなポイントを語って共有する、という営為がある。
一方で、音楽の享受が私的な形に変化していき、音楽語り(音楽批評、趣味の共有)が難しくなっているという捉え方もある。
今回は、「音楽を語る楽しみ」について、現在そして今後どのような可能性があるか、
音楽クリエイター、メディア社会学者、教育学者等の多様な視点から考えていきたい。

巻頭インタビュー:音楽クリエイター ヒャダインさん
「批評なき音楽語りという困難」
音楽的なバックボーンのことですね。 思春期が90年代で、TKブーム(小室哲哉ブーム)か、GLAY、L’Arc〜en〜Ciel、Mr.Childrenなどのロックバンドか、でクラスが二分した状態でした。私はTKの方が好きだったので、TKプロデュースから『AS…
インタビュアー
桃山学院大学 長﨑 励朗 聖路加国際大学 歌川 光一 公益財団法人音楽文化創造 中西 良「批評なき音楽語りという困難」 より

「音楽語り」の自由とムダ
音楽について言葉で語るのは野暮である。そんな意見を聞くことがある。要は言葉でいくら語っても音楽自体については語りつくせないのだから、スマホの音量でもあげて相手の耳元に持っていくのが一番というわけだ。たしかに、音楽の内容に…
桃山学院大学社会学部 准教授 長﨑 励朗
「音楽語り」の自由とムダ より

音楽語りという教養の「ため込み系/たしなみ系」
本号の巻頭インタビュー「批評なき音楽語りという困難」(インタビュイー:ヒャダイン氏、以下「巻頭インタビュー」と略記)中の話題には、教養のあり方をめぐる昨今の議論に引き付けて考えられる部分がある。…
聖路加国際大学大学院看護学研究科・准教授 歌川 光一
音楽語りという教養の「ため込み系/たしなみ系」 より