音楽文化の創造(CMC)

電子版 Vol.12

2020年4月1日発行

Vol.12 特集「スポーツと音楽」

オリンピック・パラリンピック「東京2020」に合わせて、

スポーツ界の活況はもとより、音楽界にも様々な機会がもたらされている。

スポーツと音楽は、時に密接に結びついているといえる。

例えば、アスリートのモチベーションを高めるための音楽、競技に使われる音楽、

スポーツの祭典を彩る音楽など、直接・間接的に関わりが深い。

時にスポーツの感動と音楽の感動が相まって、生涯にわたる記憶として深く心に残るものとなる。

本特集では、延期が決まった東京2020大会の成功を祈念しつつ、あらためてスポーツと音楽の関係を見てみたい。

 

<秋田県民歌>とスポーツ 地域文化~地域をつなぐ要としての音楽~

           

元号が令和に変わった昨年(2019 年)、日本列島はラグビーワールドカップにおける日本代表の活躍で大いに沸いた。選手と観客が一体となって〈カントリー・ロード〉の替え歌を歌ったことは、 記憶に新しいところである。 そのような、音楽とスポーツ…

元秋田県職員 澁谷 次男

「<秋田県民歌>とスポーツ 地域文化~地域をつなぐ要としての音楽~」 より 

 

「スポーツと音楽の親和性―尚美学園大学の試み-」

           

今日、スポーツ科学の進歩、国際化が進む現状、メディアの発達などの影響により、スポーツの分野は、これまでとは比較にならない程のスピードで、多種多様な広がりを見せている。スポーツと音楽の関係性についても、こうした流れの中で近年着目され…

尚美学園大学 スポーツマネジメント学部 准教授 梶 孝之

「スポーツと音楽の親和性―尚美学園大学の試み- より 

2015年 7月発行

雑誌CMC 73号 特集「スポーツと音楽」

【リード文】  2020年のオリンピック・パラリンピックは東京で開催されることになりました。オリンピックはスポーツの祭典ですが、音楽界にも影響を与えます。オリンピックの開催ごとにテーマ曲が作られ、開会式や閉会式を彩るには音楽は欠かせません。スポーツと音楽の関係は密接であり、多様です。スポーツ競技には、体操競技、フィギュアスケート、シンクロナイズドスイミングなど音楽を伴ったものがあり、選手の話題とともに選曲も話題になるほどです。では、これらの曲はどのようにして選ばれ、構成されるのでしょうか。また、気持ちを高めるために試合前に音楽を聴く選手も多く、その曲名が公表されてインターネットで拡散されています。音楽とスポーツは身体を通じた文化であり、メディアの文化でもある点で似ています。オリンピックを迎えるにあたって、スポーツと音楽との関係を様々な側面から探ってみたいと思います。もっと見る

特集・スポーツと音楽 「オリンピックと音楽」 舛本 直文

連載:音楽とキャリア -人生100年時代に向けて-

第 5 回:聴衆参加を促す「インタラクティブ演奏会」
 インタラクティブは、英語のinteractiveのカタカナ語である。日本語では「対話的に」あるいは「双方向的に」の意味になる。インタラクティブ演奏(会)では、演奏者と聴衆は双方向に関係して、より質の高い音楽経験を聴衆にもたらす。ここではティーチング・アーティストの活動例を紹介しながら、インタラクティブ演奏会がどうして必要なのか、そしてどうすればこのような演奏会が可能になるのかを、考察する。

音楽学者  久保田 慶一