音楽文化の創造(CMC)
電子版 Vol.01
2017年9月17日発行
Vol.01 特集「世界の音楽 チェコ」
CMCの電子版化第1回目はチェコについて書かれた記事を取り上げます。
2017年は日本とチェコの国交回復60周年にあたり、「日本におけるチェコ文化年2017」と称する文化行事が開催されます。
日頃、あまり意識していませんが、チェコと日本は文化的な交流がたくさんあります。
これを機会に改めに見直してみたいと思います。
絵画ではミュシャ、文学ではチャペック、そして、音楽ではスメタナやドヴォルジャークなどがすぐに思い浮かびます。
スメタナやドヴォルジャークの音楽は我々にはなじみ深いものです。
スメタナ作曲の「モルダウ」は合唱作品となり、よく歌われていますし、 ドヴォルジャーク作曲「新世界」の2楽章のメロディも日常生活に入り込んでいます。
2016年に社会学関係の学会があり、プラハを訪れました。
世界遺産に登録されている街並みは予想をはるかに超えて美しく、中世の時代に紛れ込んだような感覚にとらわれてしまいました。
チェコには様々な時代と様式の建築物があり、建築の博物館と言われています。
ロマネスク様式の聖イジ―大聖堂、ゴシック様式の聖ヴィート大聖堂、ルネサンス様式の旧市街火薬塔、
バロック様式の聖ミクラーシュ教会など書き出したらきりがありません。
このような伝統的な建物だけでなく、カップルが楽しげに踊っている様子を表したというダンシング・ハウスというモダンな建物もあります。
音楽に目を向けてみると、街のあちこちにある教会にはパイプオルガンが備え付けられており、コンサートが開かれていました。
市民会館の中のスメタナホールではスメタナやドヴォルザークの曲を中心とした気軽なコンサートが行われていましたし、
モーツァルトが「ドン・ジョバンニ」を初演したというエステート劇場では「ドン・ジョバンニ」を聴くことができました。
チェコ文化年実行委員会の委員である黒沼ユリ子氏は「何世紀にもわたって大国に自らの国の運命をほんろうされ続けたチェコの人たちが、
自己を見失わずに今日まで生き抜いてきたエネルギーの一つが音楽にあったと思う」と述べています。
このように音楽と常に深い関係を持ってきた、チェコの音楽事情を改めてご紹介したいと思います。
雑誌CMC 55号 連載「チェコの音楽事情1」
「チェコ人と言えば音楽家」…こんなフレーズが昔からヨーロッパにはある。「ヨーロッパの音楽院」とも呼ばれていたボヘミアとモラヴィア(現在のチェコ)。スメタナ、ドヴォルジャーク、ヤナーチェク…
「チェコの音楽教育」出井則太郎 より
雑誌CMC 56号 連載「チェコの音楽事情2」
「言葉が音楽を生み、音楽が言葉を運ぶ」私がチェコでの生活で感じたのは、言葉が持つ音楽文化創造のエネルギーだった。チェコ人にとって言葉は音楽を愛する以前に大切な音楽そのものだ…
「チェコ語と音楽」出井則太郎 より
雑誌CMC 57号 連載「チェコの音楽事情3」
「なぜヨーロッパの音楽をわざわざ学びに来たの?あなたの国には本当に素晴らしい音楽があるのに」この言葉は、チェコ留学中の私を一番戸惑わせた。彼らから聞かされる日本の魅力…
「チェコと日本の音楽」出井則太郎 より
雑誌CMC 58号 連載「チェコの音楽事情4」
ある夏の日の、野外ライヴのクライマックス。満天の星空の下で、数百人の聴衆と肩を組んで歌を歌った。チェコの夜空に、星に負けないぐらい素敵な歌声が響いていた…
「チェコ人と音楽」出井則太郎 より