音楽文化の創造(CMC)
電子版 Vol.07
2019年4月25日発行
Vol.07 特集「音楽文化の伝統と継承」
音楽文化はどのように受け継がれてきたのでしょうか。また現在、それはどのように変化・発展しているのでしょうか。
古典芸能の場で、地域のローカルな文化の中で、そしてまた学校教育の現場での継承・変化・発展などを見てみたいと思います。
また、雑誌「赤い鳥」発刊から100年を迎えたことから、童謡などのジャンルも音楽文化として伝統を築いてきています。
これらの領域の継承などにも着目してみたいと思います。
「『赤い鳥』とわらべうた」
童謡は、1918(大正7)年7月1日、作家の鈴木三重吉が創刊した雑誌『赤い鳥』をきっかけにして創作され、流行していった子どもの歌謡である。童謡の最大の特徴は、雑誌という民間で売買される印刷メディアによって創作された点にあった…
「『赤い鳥』とわらべうた」 大東文化大学専任講師 周東 美材より
雑誌CMC 8号 特集「音楽文化の創造」
【リード文】民間の生活の中で古くから伝えられてきた様々な芸能。長寿や穀物の豊作や悪霊退散などを祈念して、職業的な演者でない人々によって維持されてきた芸能。これらは今日の高度工業化社会の中で、観光や地域の習慣以外に社会的な意味を失ったかのように思え…るが、再び、人々の生涯学習という観点から見直されはじめている。 もともと様々な行事や祭りと結び付いて生まれた芸能は、地域の共同体を維持し、辛く退屈な日常の生活を離れて、人々の心にカタルシスをもたらす働きをした。そこで民俗芸能を学習することは、その芸能を成立させた人々の社会や文化を学習することになる。そしてさらには、その芸能を維持している人々の理解や、文化的ルーツを探る重要なアプローチともなる。もちろん実際に参加することもできる。このことから本特集では、生涯学習社会において教育現場などが、どのように民俗芸能の学習に取り組んでいるかを、行政及び研究と実践の両方の現場から述べて頂いた。もっと見る
特集・音楽文化の創造 「民俗芸能と郷土芸能-民俗芸能の保存継承をめぐって-」 植木 行宣
雑誌CMC 30号 特集「変わる日本の伝統文化」
特集・変わる日本の伝統文化「沖縄・島唄をめぐる現在~古謝美佐子、BEGINを事例に~」 高橋 美樹
雑誌CMC 42号 特集「特集 音楽文化の伝統と創造」
特集・音楽文化の伝統と創造 「変化する伝統 その動きと今後」 八木 正一
雑誌CMC 57号 特集「音楽の伝統の継承と革新」
特集・音楽の伝統の継承と革新 「長唄における伝統の継承と革新 松永鉄九郎氏に聞く」 三小田 美稲子
Topics
『この人に聞く』 大中恩氏に聞く
暮れの12月3日に、作曲家・大中恩氏が、94歳で亡くなられました。「サッちゃん」「犬のおまわりさん」「おなかのへるうた」など、たくさんの子どもの歌で知られています。戦前の唱歌、童謡に変わって、戦後の子どもの歌を作る運動として1955年に、磯部俶、宇賀神光利、中田一次、中田喜直とともに、子どもの歌を作る「ろばの会」を結成して、楽譜集やレコードを出版しました。父・大中寅二も「椰子の実」で知られる作曲家です。本誌2003年の第29号の記事「この人に聞く」で大中恩氏にインタビューしています。この記事をここに掲載して氏を偲びたいと思います。聞き手 富山大学教授 森田 信一