音楽文化の創造(CMC)

電子版 Vol.15

2021年1月10日発行

Vol.15 特集「音楽による社会貢献」

東日本大震災からまもなく10年、その後も毎年のように繰り返される災害、

そして2020年には新型コロナウイルスの蔓延と、私たちの生活・経済のみならず文化活動にも大きな影響を受けた年月だった。

振り返れば、多くの人が生き方やこれまで当たり前と捉えてきた価値観を見つめ直す必要に迫られ、

それは音楽に関わる多くの人たちにとっても同様であったと思われる。

それは同時に、音楽に関わる人たちが、自らの音楽で社会に貢献したい

という願いを新たにした年月だったと捉えることができるかもしれない。

今回の特集では、音楽と地域社会をつなぐ、音楽と一人一人の心をつなぐ、

社会のためにある音楽など様々な視点から、音楽による社会貢献の現状と展望についてまとめてみたい。

音楽による社会貢献の現状と展望

           

2020 年に勃発した新型コロナウイルスのパンデミックにより、私たちは価値観の変革を求められた。国 が提案する「新しい生活様式」には、日常生活だけでなく、スポーツや音楽などの文化活動も含まれる。 そこで本稿では、、2019 年の地域音楽コーデ…

生涯学習音楽指導員  三上 香子

「音楽による社会貢献の現状と展望」 より 

「ヤマハが取り組む音楽を通じた街づくり(おとまち)」

株式会社ヤマハミュージックジャパンが展開する、ヤマハ音楽の街づくり事業こと「おとまち」は、 1887 年の親会社のヤマハ株式会社創業以来、130 年以上の歴史の中で培ったさまざまなノウハウや リソースを元に、音楽が持つ“人と人をつなげる力”を活…

(株)ヤマハミュージックジャパン 事業企画部事業開発課 主任 細田 幸子

「ヤマハが取り組む音楽を通じた街づくり(おとまち)」 より 

音楽を通して「真のごちゃまぜな社会を創る」という大きな目標

この原稿依頼を引き受けた翌日に、私たち認定NPO 法人アークシップは、設立18 年を迎え た。 代表の長谷川は、ウェブサイトに次のようなメッセージを載せた。 2020 年12 月16 日にアークシップは満18 歳となりました! イベントに出演してくれた皆さ…

認定NPO 法人アークシップ理事 西 亨

音楽を通して「真のごちゃまぜな社会を創る」という大きな目標 より 

我、COVID-19 の陰の谷を歩むとも -コロナ時代の音楽家と社会貢献

この原稿を書いているのは2020 年も余すところ7日あまり、東京は新型コロナウイルス感染症(以 下COVID-19)大流行の第3 波が、未だ感染者数のピークを迎えることなく拡がりつつけている時期 である。2 千をなかなか越えなかった死者数もわずか1ヵ…

東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科講師 箕口 一美

「我、COVID-19 の陰の谷を歩むとも -コロナ時代の音楽家と社会貢献」 より 

投稿論文

音楽活動を通じたソーシャル・キャピタルの意義―社会学から見た生涯音楽学習の重要性―

早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程2年 平原 幸輝

投稿論文

オンラインによる大学生へのピアノ指導の在り方 ―紙鍵盤とYouTube を活用してー

関西福祉大学 木原 加代子

連載:音楽とキャリア -人生100年時代に向けて-

第8回:現代の音楽家に必要な教養とは何か
大学時代には「一般教養科目」は「般教」と呼ばれ、あまり重要な科目ではなかった。しかしなぜ大学で一般教養、つまり学びたい専門以外の学問を学ぶ必要があるのだろうか?大学とは何か、大学で学ぶ意味とは何か、大学で単位をとればもう教養は学ばなくてもよいのか。ここでは、現代に必要とされる教養、とりわけ音楽家に必要とされる教養について考察する。

音楽学者  久保田 慶一