活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】音でつながり、人とつながる

(2024年07月16日公開)

地域音楽コーディネーター フルーティスト フルートトリオ・バウムクーヘン代表 千葉県 木原三知子さん

フルートトリオ・バウムクーヘン
フルートトリオ・バウムクーヘン
■活動テーマ:
音でつながり、人とつながる
■目次:
■活動開始時期:
2020年~現在
■場所:
兵庫県尼崎市を中心とした関西圏と首都圏
■対象:
0歳児から高齢者まで
■活動内容

1.きっかけ

2020年、折しも新型コロナ感染症による世界的なパンデミックが起こり、世の中は人とのつながりが制限され、文化芸術活動は休止に追い込まれ、時代が大きく変化しました。その状況の中、フルートの同じ門下生仲間と再会しました。大学卒業後それぞれが別々の場所で活動していましたが、「音楽を奏でること、聴いて観て楽しめる、そのような心のつながりを絶やしてはいけない!!」という想(おも)いを胸に、フルートトリオ・バウムクーヘンを結成しました。

2.フルートトリオ・バウムクーヘン

志はフルートの音色を通して人と人の心のきずなをつなぐことです。企画は代表である私が行い、様々なところへ提案します。コンサートは演奏を聴いてもらうだけでなく、他のトリオにはないトーク(会話)をコンサートの中で重視しています。それは演奏者と聴衆との境界をなくし、一体感のある空間を共有することを願っているからです。グループ名【バウムクーヘン】は、私たち3人の音楽が重なり合い、年輪のように一つのハーモニーとなって、全ての方々にお届けしたいことを目的に命名しました。私たちはそれぞれ長い期間、個々の活動をしておりましたので、今までのお互いの経験を尊重し合い進めています。

3.具体的な内容

(1)YouTube配信から現在の活動につながる

パンデミックの影響で人との接触を避け外出を控える人が多い中、私が長年携わってきた中学校吹奏楽部外部講師として何かできないかと考え、YouTube配信を始めました。この方式のメリットは感染リスクを避け自宅で学べることです。趣旨は、1.これからフルートを始めようと思う子供たちの役に立ちたい!2.今、吹奏楽部活動が停止しているときに現部員に対し、小人数でも良いので私たちが部活の代わりになってレクチャーコンサートをしようという二点です。そこで地域の楽器店の店長に直接提案し承諾を得、2022年5月「フルートクリニックVOL.1」開催することができました。

開催するにあたり、部活指導の先生からは賛成できないとの声や感染が怖い等々、紆余曲折(うよきょくせつ)はありました。しかし私たちはいつか必ず皆が集まって音楽ができる日が来ると強い信念を持ち続けました。その想(おも)いが楽器店をはじめ、地域のコミュニティセンターのスタッフの心を動かし、「みんなのコンサート」、「0歳児からのコンサート」、聴衆と距離の近い邸宅での「サロンコンサート」などの活動につながっています。

(2)横笛の会

私が外部コーチとして関わる東京都、大阪市の中学校吹奏楽部も休止から徐々に再開しましたが、その期間吹奏楽人口が急激に減少傾向にあると感じました。そこで吹奏楽人口の裾野を増やそうと考えたのが【横笛の会】です。フルートは高額のため、フルートより安価なファイフ(横笛)を扱いました。

長年の指導経験から感じているのは、音楽は年齢の垣根を超えて一緒にアンサンブルすることで仲間を作ることができます。このような機会を多くの人々に与えることが地域の活性化につながる社会貢献だと思い、地元コミュニティプラザの方と協力し、先方の主催イベントとして尼崎市市報やセンターで公募し始めました。

合同練習は【バウムクーヘン】メンバーが参加者に対し、コミュニティセンターが管轄している尼崎市立すこやかプラザホールで3回だけレッスンを行い仕上げていきました。無謀に近いですが、いつもの「まず、やってみよう!」精神です。

レッスン方法としては私が開設したyoutubeチャンネルを活用し限定公開としました。

  1. それぞれのパートをレクチャーした動画を配信
  2. 予習復習ができるように、テンポが違う動画やワンポイント動画を月ごとに配信。
  3. 受講者の質問にいつでも対応できるように【バウムクーヘン】のmailで3人が回答しフォローする

成果発表としてのコンサート当日はたくさんの方々に来場していただき好評でした。

(3)フルートオーケストラ

2023年11月5日、尼崎市すこやかプラザで開催したフルートオーケストラは地元楽器店の提案で始まりました。背景は国が2023年から全国で段階的に進めている部活動の地域移行政策です。現在も受皿・指導者・予算他につき漠然な疑問が出でいる中、その先駆けになればとの思いから生まれました。参加者は楽器店からの公募で初心者を集め、地域で演奏活動しているフルート奏者にも加わっていただき編成しました。

コンサートは(株)ヤマハミュージックジャパンの協力と楽器コレクターの方の協力を得て開催しましたが、会場のキャパシティの加減で内内の開催となりました。私が千葉で指導している生徒も参加し楽しい会になりました。参加いただいた皆さんから「来年も会おうね!!」と自然に声が出、2024年度も継続して行う計画です。前回は7月に1回、11月本番当日の午前中リハーサルを行い、午後からコンサートという限られたスケジュールでしたが、今年度は少し検討し変更するかも知れません。

4.今後の抱負

兵庫県尼崎市は【フルートトリオ・バウムクーヘン】メンバーの地元でもあり、新しいイベントを一つ一つ企画実践していくことが地域の活性化につながると思っています。企画に関しては代表である私が試行錯誤して新しいものを提案し、活動を拡げていこうと考えております。今年度は新しく伊丹市でもイベントを行う予定です。私たちの活動はテーマである「音でつながり、人とつながる」を根底に、音楽で人の輪を広げていくことです。活動を始めて地域に少しずつ認知していただき、毎年子供たちのためのクリスマス会にゲストとして呼んでいただいています。

老若男女が吹奏楽器で一緒にアンサンブルすることで音楽の喜びを得ることができ、心身ともに健康になる秘訣(ひけつ)だということを私たちの活動を通じて広めていきます。

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