音楽文化の創造(CMC)

電子版 Vol.16

2021年4月16日発行

Vol.16 特集「パフォーマンス文化」

新型コロナウイルスの影響を受けて、コンサートの中止とホールの休館が相次ぎ、

突然パフォーマンスの機会が奪われてしまった。

この状況下、9月4日に開催されたミラノ・スカラ座による、

追悼とホールの再開向けたコンサートはたいへん心揺さぶるものであった。

合唱団はソーシャルディスタンスを取り、オーケストラはマスク姿だったが、

STREAMINGを通して聴こえる響きは美しく、ライブ演奏での息吹を感じ取ることができた。

新型コロナウイルスが芸術に与えた影響は計り知れないが、人はパフォーマンスを行い、

インターネットを使って配信し、それを視聴した。

その形はプロ・アマを問わず、そして、ジャンルや表現方法を問わなかった。

しかし、人はやはりライブでパフォーマンスし、そこに参加することを望んでいるように思う。

ライブへの参加や路上コンサートやストリート・ピアノに見られるように、

人前で表現することは、むしろ広がっていると聞く。

そこで、今特集では人にとってのパフォーマンスの意味とライブの魅力について取り上げ、

パフォーマンス文化について改めて考える機会としたい。

「経済」と「生活」をめぐって ―COVID-19 とパフォーマンス文化

ウイルスという見えない脅威は、世界を一変させることになった。2019 年12 月に中国で原因不明のウイルス性肺炎の感染者が確認され、2020 年1 月には未知なるウイルスとして世界規模で報道されるようになった。その正体は、のちに世界保健機関(WH…

社会学者・大学講師  宮入 恭平

「経済」と「生活」をめぐって ―COVID-19 とパフォーマンス文化 より

「音楽ライブにおいて音楽以外の要素はいかに扱われてきたのか」

ライブ音楽は、音楽の魅力だけで聴取者を惹きつけるのではない。音楽以外のさまざまな要素を楽しみに、人はライブ会場に足を運ぶ。とりわけポピュラー音楽の公演は、当初からそれを織り込み済みのものとしている。ルックスを、衣装を、キャラクターを…

武蔵大学教授  南田 勝也

「音楽ライブにおいて音楽以外の要素はいかに扱われてきたのか」 より

2016年 3月発行

雑誌CMC 75号特集「いま、音楽はどのように聴かれているのか」

近年のインターネットの普及とメディアの移り変わりによって、音楽を聴く形が変化してきている。2000年前後から、ネット配信で音楽を聴くことが広がりを見せ、同時にCDが売れなくなっていった。もっぱらインターネットを通じて聴かれているのと同時に、コンサートやミュージックフェスティバルの動員は増加しているという。 いま、音楽はどのように聴かれているのだろうか。いろいろな視点から探ってみた。もっと見る

特集・いま、音楽はどのように聴かれているのか 「インターネット時代の音楽受容と動画サイトからの創造・発信」  谷口 昭弘

特集・いま、音楽はどのように聴かれているのか「フェス音楽体験」  山崎 翔

連載:音楽とキャリア -人生100年時代に向けて-

第9回:コロナパンデミックでわかったこと
コロナ・パンデミックはいまだ終息の兆しもありません。しかし必ずやってくるコロナ後の世界で、 音楽に関わる諸活動はどのようになるのでしょうか。生涯学習とキャリアの視点から考察してみたいと思います。

音楽学者  久保田 慶一