私が住んでいる地域では、限られた市民だけが公共ホールやライブハウス会場に足を運び音楽に親しんでいる状況でした。そこで、より多くの市民に生活に密着した空間で気軽に生演奏に触れて体感してもらいたいという思いが募った頃、地元の飲食関係者のオーナーが音楽好きなことを知り、意気投合した結果その場をお借りし活動を始めました。

1. 音楽の力で地域を活性化し、魅力ある街づくりをする
   宮崎市は昨今、多くの地方都市と同じように人口減少の一途（いちず）をたどっており、高齢者の割合も高くなってきている。
2. 住民が日常生活している空間で、生演奏を気軽に聴く機会 を作り、音楽のすばらしさを感じてもらう
   コンサートホールなどに行くのにはハードルが高く、機会がなかった人にも足を運んでもらう。
3. 楽器学習者へ目標を与える
   指導者として楽器を学んでいる人に、人前で演奏することの喜びと憧れを与える。
4. 楽器演奏の楽しさを感じてもらう
   生演奏を聴くことによって楽器に興味を持ち、生涯学習の観点から、いくつになっても楽器を学び始めることができる人を増やす。

上記目的の基、様々な場所で開催していますが、特に地元で有名なパン屋さんの2階に併設してあるレストランが中心となっています。ミュージシャンとして生活基盤である地域の方々との交流が欠かせません。「住民はどこでどのような音楽を聴きたいのか？」日頃から常にアンテナを張っています。音楽を聴く場所はホールだけが全てではありません。パン屋・レストラン等の常連で生演奏にあまり触れる機会がなかった人や、私たちの音楽は聴いたことがあるけどその場所で聴くのは初めてという人が一緒になると、お店とお客の双方にメリットがありよい関係が築けます。珍しい場所で開催すると知人からもコンサートフライヤーを見て「〇〇でするの」ということで話題にもなります。来場者のメインターゲットは中高年の主婦層です。この方々はふだんテレビやCDで音楽に親しんでいますが、生演奏に触れう機会がなかった人です。

選曲はクラシック、歌謡曲、民謡、ポップス、ジャズ、フュージョン、ボサノバ等ジャンルを問いません。それは聴衆者の音楽嗜好（しこう）が幅広くできるだけ対応するように考えています。

▼懐メロ

竹田の子守唄、ひょっこりひょうたん島、お嫁サンバ

▼映画音楽

私のお気に入り＊ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージックの中の1曲」JR.東海のCM「そうだ、京都行こう」で使用されている。

星に願いを＊ディズニーアニメ映画「ピノキオ」の主題歌。

▼JAZZ

スペイン＊ロドリゴ作曲のギター「アランフェス協奏曲」の緩徐楽章をテーマに、有名なジャズピアニスト・チックコリアが作曲した作品

リベルタンゴ＊ピアソラ作曲。以前サントリーのCMで一般的に知られる。

プログラムについてもコンサート全体がマンネリ化しないよう緩急つけます。また聴いてもらうだけでなく客席参加できる要素も入れています。

毎回コンサート後、聴衆の反応を把握し今後の企画の参考にするため、必ずアンケートを取っています。誰でも知っている既知曲と演奏者として是非聴いてもらいたい曲を同列に楽しんでいただけるのはうれしいです。お世辞でも感動して涙が出ましたと言われると音楽家冥利に尽きます。ギターとピアノのデュオで、このようなアンサンブルが聴けると新たな発見をされる方もいます。昔、少しかじって放置していたギターをまた弾いてみたくなったという方もいらっしゃいます。コンサートでたまたま知り合いになった住民同士が音楽で交流を深めてもらうことは意義深いと感じています。

課題としては、用意したプログラムと当日の聴衆の反応は様々です。実際に聴いていただくまで内容が伝わりにくいことがあります。ギターとピアノという編成なのでクラシックやフォークソングを想像される方が多いです。今後、よりお客様と一体となるためには企画、選曲やアレンジ等を工夫せねばなりません。

宮崎は自然の豊かな場所なので日南海岸や古墳群の中での演奏、神話とのコラボレーション等地域の特性を活かした企画をし実現できれば良いかと思います。また指導者としての側面では楽器未経験者・初心者・中級者の方々へアンサンブルの楽しさを体感出来るようなワークショップと成果の発表の場を作り、地域住民とのつながりを更に広げ深めていきたいと考えています。