【事例紹介】届け皆の心に音楽を！

（2022年02月26日公開）

地域音楽コーディネーター　川崎市　音楽セラピー「チームひまわり」代表　圓谷明美さん

■ 活動タイトル：届け皆の心に音楽を！
■ 日時：2018年9月～
■ 場所：川崎市幸区南加瀬保育園、クラーチ有馬老人ホーム、その他スタジオ
■ 対象：幼児、高齢者、音楽好きな方

■ 活動内容

1．活動を始めたきっかけ

ある日、テレビでホスピス・緩和ケアを訪問して、音楽を提供している方がいる事を知りました。入院されている方々がとても喜んでいる姿を見て感動し、また音楽の力が精神的，肉体的な苦しみを和らげ、クオリティー・オブ・ライフの改善になる事を再認識いたしました。

今まで私たちは音楽をたくさんの方へ「指導」と言う形で接して来ましたが、この活動を見てこれからは音楽を違う形で提供し社会貢献したいと思いました。仲間に話し全員に賛同していただき始めてみようと言う事になり「チームひまわり」を5人で結成いたしました。

活動場所として保育園、幼稚園、高齢者施設（デイサービスも含む）、スタジオ等を提案しました。その活動と定期的に行っている街角コンサートをご紹介いたします。

２．活動内容

保育園、高齢者施設に対して、それぞれ対象者の心理的、体力的な部分を考慮し、時間や内容、選曲などを充分に話し合い、企画を練りました。

A.保育園

メンバーのお孫さんが通園している保育園で、既に小物楽器や鍵盤ハーモニカ、歌などで音楽を楽しんでいる事がわかり、担任の先生に私たちの音楽企画を提案し園長先生に相談してくださり決まりました。

時間：40分程度
編成：ピアノまたはキーボード（2）、バイオリン（1）、フルート（1）、ピアニカ＆パーカッション（1）、MC兼任の5人です。ピアノがあれば連弾の時も有ります。
内容：童謡唱歌、ディズニー、ジブリ作品を中心に選曲
＜ある日のプログラム＞
- ディズニーメドレー：ピアノ連弾
- チャルダッシュ（ヴィットリオ・モンティ曲）：バイオリン、ピアノ
- 「ピノキオの主題歌」星に願いを（リー・ハーライン曲）：フルート、ピアノ
- トトロ（久石譲曲）：全員で歌唱
- もろびとこぞりて（クリスマスキャロル）：トーンチャイムとピアノ
- リパブリック讃歌（アメリカ民謡）：全員で歌いました。
お子さんの反応は自然と歌ったり手拍子され喜んでいただきました。

B.高齢者施設

高齢者施設はメンバーの生徒さんからの紹介で施設の担当者の方と話し合い趣旨を賛同していただきました。

時間：30分程度
編成：上記Aと同じ
内容：一緒に歌える唱歌や、歌謡曲、小物楽器で参加できる演歌、聴いていただくクラシックなどです。
高齢者施設は通常のテンポより若干遅めにしています。ほとんどの曲はピアノ、バイオリン、フルート、ピアニカにパーカッションで1人はマイクで歌唱誘導をしました。アレンジは全てメンバーがやります。

一月一日＆富士山（文部省唱歌）：バイオリン、フルート、ピアノの伴奏で皆で歌いました。
オーシャンゼリゼ（シャンソン）
滑舌の練習でと言う意味で、オーシャンゼリゼを演奏し、「オーシャンゼリゼ～」のところは全員で歌いました。
高原列車は行く（丘灯至夫詞、古関裕而曲）：ピアノ、ピアニカ、パーカッション　知ってる方はご一緒にと歌いました。
ディズニーメドレー（ピアノ連弾）
朗読（BGMピアノ）～歌へ早春腑を聴いてもらい歌いました。ピアノ伴奏
見上げてごらん夜の星を（永六輔詞、いずみたく曲）、北国の春（いではく詞、遠藤実曲）を皆さんにも歌っていただきました。：ピアノ、バイオリン、フルート、ピアニカ
チャルダッシュ　（ヴィットリオ・モンティ曲）：バイオリン、ピアノ
ふるさと（高野辰之詞、岡野貞一曲）：全員で歌いました。

皆さんの反応としましては、知っている曲は積極的に参加してくださいました。

C.街角コンサート

さらに音楽好きな方に気楽に聴きに来ていただけるようにと街角コンサートを定期的に行っています。（有料）こちらは聴いていただくタイプのコンサートになりますが必ず、朗読と参加の小物楽器や歌が入ります。

内容：季節の歌、リズミカルな曲、静かなクラシック、Jポップ、演歌、歌謡曲と幅広い音楽ジャンルから選曲しています。
演奏曲目

枯葉（ジョセフ・コスマ曲）：バイオリンとフルート、ピアノ伴奏、カホン
ダンシングクイーン（ベニー・アンダーソン、スティック・アンダーソン＆ビョルン・ウルヴァース曲）：キーボード、バイオリン、フルート、カホン
太陽がいっぱい（ニーノ・ロータ曲）＆エデンの東（レナード・ローゼンマン曲）のメドレー：バイオリン、フルート、キーボード2台、ベル
「ピノキオの主題歌」星に願いを（リー・ハーライン曲）：全員で
ソリ滑り（ルロイ・アンダーソン曲）：バイオリン、フルートキーボード、鈴、タンバリン、ビブラスラップ、お客さまはエッグシェイカーで参加していただきました）

オペラ「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り（ボロディン曲）：バイオリン、フルート、ピアノ、カホン

ハナミズキ（一青窈詞、マシコタツロウ曲）：バイオリン、フルート、ピアノ
北酒場（なかにし礼詞、中村泰士曲）：バイオリン、フルート、ピアニカ、キーボード
酒と泪と男と女（河島英五詞・曲）：全員で

3．クラウドファンディング（＊1）の活用

私たちは音楽提供を発案したものの、小物楽器やキーボードも個人の所有物しか無く、色々揃えなきゃ始まらないと考えていた時、メンバーからクラウドファンディングの提案が有りました。

メンバーの一人が当時通っていた大学の『音楽環境論（久保田慶一先生）』の講義でクラウドファンディングの存在を知り、資金集めのため申請することにしました。

手順はその会社の指示に沿って一つ一つこなしていきました。結果的にゴーサインが出て目標を上回る額を集めることができましたが、、審査が通るまでには、膨大な労力と時間がかかり、パソコンを担当したメンバーは大変な作業となりました。インパクトが弱いなどのダメ出しが多くてメンバー全員で文面など考えました。

＊1）クラウドファンディング：インターネットサイトを使って活動したい内容を公表し、賛同してくれた人より資金を集める方法

4．今後の課題

演奏する楽譜はメンバーがそれぞれたくさん持ってはいますが、最新の楽譜や外国版しかないのもありますから、もっと楽譜を増やして演奏曲もバラエティに富んだものにしていきたいです。

ホールやレンタルスペースの広さにより、PAが入らず生演奏の時の音バランスを良く考え無いと綺麗なアンサンブルにならないので事前の音響チェックは重要です。

5．今後の抱負

全員「チームひまわり」の名刺を持ち簡易パンフレットも作りました。活動の幅をより広げるためには、もう少し色々な保育園、幼稚園や施設にコンタクトを取り、今までの実績をアピールして行きたいと思っています。そのためには広告宣伝の工夫が必要と感じます。今後も色々な方々の心に寄り添える演奏をして行きたいと思っております。

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