地域音楽コーディネーター 特定非営利活動法人 WALK ON CLOUDS BIGBAND理事 栃木県 益子さやかさん
- ■活動テーマ:
- WALK ON CLOUDS BIGBAND REGULAR CONCERT vol.1
- ■目次:
- ■活動開始時期:
- 2024年2月3日(土)開場12:00開演12:30
- ■場所:
- 那須野が原ハーモニーホール小ホール
- ■対象:
- 未就学児から大人まで
- ■活動内容
1.コンサートの主旨
ジャズの生演奏というと、ライブハウスに聴きに行くには敷居が高いと感じている方が多いと思います。栃木県北(皇室の御用邸や塩原温泉がある那須町、那須塩原市、隣接する大田原市、日光東照宮がある日光市と矢板市など)では特に演奏を聴くことのできる場所と機会が余りありません。子どもの頃より気軽にジャズに接する環境作りと、幅広い世代にジャズの楽しさを感じていただくために企画しました。今回の定期演奏会では、普段宇都宮を中心にライブ活動を行っているプロミュージシャン、県内外からのゲストミュージシャンの質の高い演奏を楽しんで頂くことに加え、そのミュージシャンたちの指導を受けているアマチュア団員たちの演奏を聴いていただき、このバンドの特徴を知っていただくことも目的です。
2.具体的な内容
(1)WALK ON CLOUDS BIGBANDとは
栃木県内外で活動するジャズミュージシャンたちが「栃木県北において、子どもの頃からジャズの演奏に慣れ親しむ環境をつくりたい」という思いの下、2023年6月に結成した『子供から大人まで』参加できるユニークなビッグバンドです。結成後、ジャズ音楽文化の振興とともに世代間の交流、地域の活性化を目的として2023年11月に特定非営利NPO法人設立に至りました。矢板市を拠点に現在小学4年生から60代までの団員18名でスタンダードジャズを中心に演奏しています。今後は演奏会を始め、地域のイベントへの参加、楽器体験教室、ジャズフェスの開催、ストリートピアノ設置などの事業を予定しています。
(2)コンサート内容
【第1部レギュラーステージ】
指導者、ゲスト、団員からの選抜メンバー17名でのレギュラーステージは、BIG BANDカウント・ベーシー楽団のレパートリーとして有名な『April in Paris(パリの4月)』とシャンソンの「ラ・メール」が原曲の『Beyond the Sea(夢見るように歌えば)』をはじめ、7曲を演奏しました。
【第2部ジュニアステージ】
小学4年生からの子どもと、大人の初心者中心のジュニアステージは、バンドのテーマ曲『WALK ON CLOUDS Theme』から始まり、ディズニー映画「ピノキオ」の主題歌『When You Wish Upon a Star(星に願いを)』、NHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の挿入歌で「On the Sunny Side of the Street(明るい表通りで)』など馴染みのある曲、聴きやすい6曲を披露しました。入団してから楽器を始めたメンバー、ジャズを始めたメンバー4名がソロパートを演奏しました。プログラムの中盤には小学生の団員と聴衆とのプレゼントじゃんけん大会を行い(プレゼントは、指導者が大変お世話になっている宇都宮老舗ジャズバー『近代人』様よりご提供いただきました。)こちらも大変好評でした。
【第3部WALK ON CLOUDS VSOP Stage】
VSOPステージは、東京、仙台、栃木県南よりトロンボーン、トランペットサックスのゲストをお呼びし、テナー・サックス奏者ハンク・モブレイ曲『This I Dig of You』、映画バットマン・ビギンズのエンドクレジットで使用され世界的に有名になった『Feeling Good』など7曲をアドリブ満載でお送りしました。コンサート最後のジミー・ジュフリ曲『FourBrothers』は、サックス2名、トロンボーン2名、クラリネットがソロをとるという、ゲスト三塚知貴氏のアレンジで、華やかな雰囲気のうちに終演しました。
(3)聴衆の反応(アンケートより)
○全体に対して
・温かい雰囲気、手作り感が良い。
・まるでおいしいお酒と一緒に楽しんでいるような、心地よい時間でした。
・ジャズならではの演奏途中の拍手など、子どもに伝えられてよかった。
・司会がアドリブをするソロ演奏者を紹介してくれるのが良かった
・演奏中、出入り自由なことが良い。
・プロのゲストでビッグバンド編成というのは初めて見た。すごい発想ですね。VSOP Stage圧巻でした。
・託児所無料なのが良い。
○プログラムに対して
・プログラム構成がとても良い。コンパクトにまとまっている
・子ども、大人の初心者たちに、4ビートSWINGを習得しようとした教育的配慮が感じられる選曲でこのバンドの目的が伝わった。
○今後への期待
・矢板市がジャズの街として発展していくことを願っている。
・県北のビッグバンドとして今後も楽しみにしている。
・チャリティーコンサートをやってほしい。
3.成果
ご紹介、チラシ、SNS、また開催前に地元の下野新聞に記事を掲載していただいたことも良い方向に働き、約300名のお客様にご来場いただきました。そのうち未就学児が10名程度、託児所の利用が5名ほどありました。小さなお子さんをお持ちの親子で、又は保護者の方だけで鑑賞いただくことができました。また当日の様子をNHK『とちぎ630』で紹介していただいたことで、終演後も地域の多くの方に知っていただく機会に恵まれました。
4.課題
このバンドはスタンダード曲(*1)を演奏していくという方向でレパートリーを選んでいます。ジャズが好きな方は喜んでくださったようですが、聴きなれていない方からは「もっとよく知られた曲、馴染(なじ)みのある曲を聴きたい」というご意見を頂きました。ジャズファンを広げるために、今後は親しみやすい曲も多く取り入れ、その後自然とスタンダード曲も知っていただけるような流れを作っていければ良いと思いました。
*1)スタンダード曲:ポピュラー音楽の世界で長く歌い継がれ、多くのミュージシャンによってカバーされている曲をさす。枯葉、マイ・ファニー・バレンタイン、サマー・タイム等
また資金面では初めての演奏会ということもあり、予想外の出費も多かったのでもう少し余裕を持てれば…というのが正直なところです。資金調達について、来年度の助成金等、何件か応募を始めています。物販、出張演奏などの事業にも力を入れていきます。また、賛助会員など協力してくださる方も増やせるよう動いていきたいと思います。
5.抱負
当NPO法人は、人口減少に悩む地元の矢板市(2024年2月時点で3万人弱)を『ジャズが流れるまち、生演奏が聴けるまち』にすることで、魅力的で住みたいと思える街づくりを目標としています。そのために市や県に対し文化・芸術活動推進を積極的に働きかけていきたいと思っています。昨年は、団体の立ち上げ時期から大変お世話になっている「矢板市ふるさと支援センターTAKIBI」(*2)のスタッフの方からご紹介いただき、市観光協会主催の長峰公園さくらフェスティバルで団員募集ライブをさせていただきました。この公園は桜や市の花であるツツジの名所で日本の都市公園100選に選ばれており、毎年春にはたくさんの花見客が訪れます。私たちもこの会場でここ数年のうちに事業のひとつである『ジャズフェスティバルの開催』の実施に向けて計画、活動していきます。将来は、公園を始め、商店街や市の施設、路上などで同時開催するイベントを企画、運営し、誰もが身近にジャズを楽しめる街を作っていくことが理想です。
*2)矢板市ふるさと支援センターTAKIBI:
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