地域音楽コーディネーター アマチュアバンドコミュニティさっぽろ(ABC―SAPPORO)主宰 加藤美浩さん
■活動テーマ:音楽をまちのチカラに!
音楽をまちのチカラに!
■活動時期:2000年~現在
■場所:札幌市内
■対象:札幌市内のアマチュアミュージシャン
■活動内容
バンドのライブをやるのに友人や同僚にチケットを買ってもらったりします。「アイツとつきあうと、年に1回はチケット買わされちゃうからなぁ・・・」こんなコトになるのもダメですね。
総じて音楽をやることが、社会的に「いいコト」になっていないような気がするのです。だから、学生時代にバンドをやっていても多くの人が社会人になったとたんやめてしまう。それじゃ、いつまでたっても音楽は「生活の一部」にならないと思ったのでした。
音楽をやることが「生活の一部」だと認識される、「いいコト」だと言われるにはどうしたらいいのか。そう考えた結果、音楽が社会性を持つこと=音楽による社会貢献・音楽によるまちづくり=ではないかという結論に至りました。思い浮かんだ言葉は「ライブハウスから飛び出そう!」です。「もっといろんなところで、もっといろんな人に自分の音楽を聴いてもらいませんか?」と。
札幌は、「PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)」(*1)や「サッポロ・シティ・ジャズ」(*2)など、大きな音楽イベントが開かれ、音楽の街として内外に知られています。しかし、これらのイベントは、成功の指標が観客数であったりと開催時だけの盛り上がりになりがちです。その街が本当に音楽の街であるかどうかは、例えばこれらのイベントを20年続けた結果、クラシックコンサートの年間観客数が5割増になったとか、ピアノを習う子どもが増えていったとか、ライブハウスの数が増えたとか、高齢者の音楽サークルがいくつも立ち上がったとか・・・そんなことなのではないかと思います。
草の根でやるべきことは、「音楽をやりたい人と、音楽をやってほしい人をつなぐ」こと。そして、これこそが音楽文化なのではないかと思うのです。
*1)PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル):1990年世界的な指揮者、作曲家、教育家であるレナード・バーンスタイン(交響曲からミュージカルのウエストサイドまで幅広い作品を書く)がロンドン交響楽団と共に創設した音楽祭。世界各国から若い音楽家が集まり、ワークショップやコンサートが開催される。
*2)サッポロ・シティ・ジャズ:2007年の夏から開催されている国内最大級のJAZZフェスティバル。今まで、チック・コリア、マンハッタン・ジャズクインテット、上原ひろみ、タイガー大越など国内外の著名なJAZZミュージシャンが参加している。
現在、さまざまジャンル、約60組に登録いただいています。
ABC-SAPPOROにご相談いただければ、登録バンドの中からミュージシャンを紹介させていただきます。
森の音楽会 出演者募集
モエレのホワイトクリスマス
イベントサポートの流れ
具体的な流れについては上図にあるように、何らかのきっかけで当会を知った依頼者様よりご依頼をいただくのがスタートです。この段階ではイベントの趣旨や内容、予定謝礼額(ない!とか、お弁当だけとかもありますが、多くは「交通費程度」と言われます)などをお聞きします。
これを整理して登録バンドにメールで募集をします。参加希望があったバンドについて内容確認をし、依頼者に決定のお知らせをします。この際必要に応じて機材の確認なども行います。あとは当日。私も可能な限り立ち会うようにしていますが、多くの場合は依頼者と出演者が仲良くやってくれますので問題はありません。
謝礼もできる限り直接やり取りしていただいています。終了後は特に問題がなければ、報告を求めることもしていません。双方からお礼のメールをいただく程度です。なお依頼者様には可能な範囲でサポート料として1バンドあたり1,000円程度、ABC-SAPPOROへの寄付金をお願いしています。
機材レンタル
東日本大震災メモリアルライブ2016
東日本大震災避難者支援チャリティライブ
ご近所コンサートを開催しませんか?
地域への出前コンサート
地域への出前コンサート
さっぽろ芸術文化の館
会を立ち上げてから20年あまり、イベントサポート約300回、自主イベント約100回、出演バンド数は延べ1000組を超えています。依頼者は1回限りの場合もあれば、10年以上継続してくださっている方もいらっしゃいますが、大きなご迷惑もかけずに続けてきており、感謝のお言葉をいただくことも多いです。ミュージシャンの方もすべての登録バンドに出演機会があるわけではないですが、退会するバンドは少なく、近年は口コミで登録申し込みが増えている状況です。
成果と言えるかどうかはわかりませんが、印象深かったでき事としては、20代のジャズバンドに高齢者施設での演奏を紹介したのですが、彼らは高齢者施設での演奏経験はなく、曲目などを一生懸命考えて臨んでくれました。結果、大好評で、その日のうちに興奮気味に連絡が来て、「こんな経験は初めてです。ライブハウスでは感じることのなかった感動です」と。以降彼らは積極的に高齢者施設での演奏活動をするようになりました。
こんな出来事ひとつひとつが私が活動を続けるチカラになっています。
ABC-SAPPOROは、音楽をやりたい人とやって欲しい人をお繋ぎするだけです。団体としての成果は目に見えなくとも、関わる人々が音楽によってHappyになってくれればそれでいいと思っています。
そんなふうに感じてくれるマチになることが夢です。
●アマチュアバンドコミュニティさっぽろ(ABC―SAPPORO)
ABC―SAPPORO ホームページ
http://abcsapporo.web.fc2.com/
Facebook
https://ja-jp.facebook.com/abcsapporo/
●さっぽろまちづくり活動情報サポートサイトまちさぽ
https://sapporo-machizukuri.com/art/8.html
(2022年11月4日公開)
※ 皆さまの活動を掲載しませんか? ご希望の方は、下記のページをご覧ください。
「皆さまの活動を掲載しませんか」
※ 音楽文化創造では、地域音楽コーディネーター資格取得の養成講座を実施しております。詳しくは下記をご覧ください。
「地域音楽コーディネーター」
#地域振興
#音楽祭、コンサート
■活動テーマ:音楽をまちのチカラに!

■場所:札幌市内
■対象:札幌市内のアマチュアミュージシャン
■活動内容
1.活動への思い
仕事の関係者との雑談の中で「バンドやってるんです!」って言うと、「いいご趣味ですね~」と言われます。でも多くの場合、それは社交辞令で「そんな余裕があっていいですね~」という言葉にも思えます。余裕があるから音楽をやる?・・・それじゃダメなんじゃないか、「いいご趣味」は本当に「いい趣味」にならなきゃダメなんじゃないかと。バンドのライブをやるのに友人や同僚にチケットを買ってもらったりします。「アイツとつきあうと、年に1回はチケット買わされちゃうからなぁ・・・」こんなコトになるのもダメですね。
総じて音楽をやることが、社会的に「いいコト」になっていないような気がするのです。だから、学生時代にバンドをやっていても多くの人が社会人になったとたんやめてしまう。それじゃ、いつまでたっても音楽は「生活の一部」にならないと思ったのでした。
音楽をやることが「生活の一部」だと認識される、「いいコト」だと言われるにはどうしたらいいのか。そう考えた結果、音楽が社会性を持つこと=音楽による社会貢献・音楽によるまちづくり=ではないかという結論に至りました。思い浮かんだ言葉は「ライブハウスから飛び出そう!」です。「もっといろんなところで、もっといろんな人に自分の音楽を聴いてもらいませんか?」と。
札幌は、「PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)」(*1)や「サッポロ・シティ・ジャズ」(*2)など、大きな音楽イベントが開かれ、音楽の街として内外に知られています。しかし、これらのイベントは、成功の指標が観客数であったりと開催時だけの盛り上がりになりがちです。その街が本当に音楽の街であるかどうかは、例えばこれらのイベントを20年続けた結果、クラシックコンサートの年間観客数が5割増になったとか、ピアノを習う子どもが増えていったとか、ライブハウスの数が増えたとか、高齢者の音楽サークルがいくつも立ち上がったとか・・・そんなことなのではないかと思います。
草の根でやるべきことは、「音楽をやりたい人と、音楽をやってほしい人をつなぐ」こと。そして、これこそが音楽文化なのではないかと思うのです。
*1)PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル):1990年世界的な指揮者、作曲家、教育家であるレナード・バーンスタイン(交響曲からミュージカルのウエストサイドまで幅広い作品を書く)がロンドン交響楽団と共に創設した音楽祭。世界各国から若い音楽家が集まり、ワークショップやコンサートが開催される。
*2)サッポロ・シティ・ジャズ:2007年の夏から開催されている国内最大級のJAZZフェスティバル。今まで、チック・コリア、マンハッタン・ジャズクインテット、上原ひろみ、タイガー大越など国内外の著名なJAZZミュージシャンが参加している。
2.活動のスタート
2000年、私が所属していたボランティア「災害救援ネットワーク北海道」で、全国的な活動となっていた「1.17KOBEに”灯り”を」のイベントを札幌でもやろうという話になり、私は、この記念コンサートを企画運営しました。アマチュアミュージシャン達が音楽を通して社会と繋がることの大切さを実感し、これをきっかけにABC-SAPPOROとしての活動をスタートしました。3.具体的な活動
主な事業 1 アーティストバンク
活動の機会を求めるミュージシャンに登録していただいています。現在、さまざまジャンル、約60組に登録いただいています。
- ・アマチュアバンドとして活動しているさまざまなジャンルの方で、メインの世代は30代後半から50代となっています。70代は歌謡曲バンドやハワイアン、エレキバンドの方もいらっしゃいます。
- ・登録はありませんが、札幌のアカペライベント「ハモサツ」とも連携し、学生のアカペラグループにも多数協力いただいていますし、大学のジャズ研、ブルーグラス研などにも参加していただくこともあります。
- ・本会の趣旨に賛同するプロミュージシャンの方にも登録いただいています。
- ・立上げ当初は主宰である私がいろいろなライブなどに出かけて行き、趣旨を説明し、登録のお願いをしていましたが、徐々に登録者からの紹介や、ホームページを見ての応募、イベントの際配布している募集フライヤーを見ての応募も増えてきました。「来るものは拒まず」ですが、紹介のない方については、高齢者施設などでの演奏についての意思確認や演奏レベルの確認をさせていただいたりすることもあります。
- ・登録料、登録期限はありません。
主な事業 2 イベントサポート
地域のお祭りや、高齢者施設でのミニコンサートなどでは、「いつも同じバンドが来る」ということも珍しくありません。イベントを主催される方は、意外とミュージシャンのツテがなかったりします。ABC-SAPPOROにご相談いただければ、登録バンドの中からミュージシャンを紹介させていただきます。



具体的な流れについては上図にあるように、何らかのきっかけで当会を知った依頼者様よりご依頼をいただくのがスタートです。この段階ではイベントの趣旨や内容、予定謝礼額(ない!とか、お弁当だけとかもありますが、多くは「交通費程度」と言われます)などをお聞きします。
これを整理して登録バンドにメールで募集をします。参加希望があったバンドについて内容確認をし、依頼者に決定のお知らせをします。この際必要に応じて機材の確認なども行います。あとは当日。私も可能な限り立ち会うようにしていますが、多くの場合は依頼者と出演者が仲良くやってくれますので問題はありません。
謝礼もできる限り直接やり取りしていただいています。終了後は特に問題がなければ、報告を求めることもしていません。双方からお礼のメールをいただく程度です。なお依頼者様には可能な範囲でサポート料として1バンドあたり1,000円程度、ABC-SAPPOROへの寄付金をお願いしています。
主な事業 3 機材レンタル
ミュージシャンの謝礼はなんとかなるけれど、機材費がかかるので泣く泣くイベントを断念・・・という状況も多く見られることから、最低限の機材をABC-SAPPOROでお手伝いさせていただきます。
主な事業 4 自主事業
・災害義援金チャリティコンサートなどの開催
アマチュア音楽が社会性を持つためには、チャリティへの取り組みは必須と考えます。一つのバンドでできることには限りがありますが、集まることでより効果的なイベントにすることができます。

・地域への出前コンサートなどの開催
町内会などの十数名の集まりでもミュージシャンを派遣します。出歩くことが難しい高齢者や子育てママなどに身近な場所でコンサートを楽しんでいただきたいと思います。


・その他の事業(音楽文化の醸成)
・「札幌メモリアルプロジェクト」
2020年、約50年にわたり札幌の音楽文化を支えてきた「さっぽろ芸術文化の館(北海道厚生年金会館)」が老朽化のため解体されることとなったのを受け、ホールのステージ床板の一部を譲り受け、加工して販売しました。収益金(約16万円)は「札幌文化芸術振興基金」に寄付しました。
4.活動の成果
ABC-SAPPOROは、主宰のアツい思い(思い込み?)で、ひとりでコツコツとやっているだけ。事務が負担になるので法人化もしていないただの任意団体です。年次決算はしていますが、あらためて成果を取りまとめることなどはしていません。会を立ち上げてから20年あまり、イベントサポート約300回、自主イベント約100回、出演バンド数は延べ1000組を超えています。依頼者は1回限りの場合もあれば、10年以上継続してくださっている方もいらっしゃいますが、大きなご迷惑もかけずに続けてきており、感謝のお言葉をいただくことも多いです。ミュージシャンの方もすべての登録バンドに出演機会があるわけではないですが、退会するバンドは少なく、近年は口コミで登録申し込みが増えている状況です。
成果と言えるかどうかはわかりませんが、印象深かったでき事としては、20代のジャズバンドに高齢者施設での演奏を紹介したのですが、彼らは高齢者施設での演奏経験はなく、曲目などを一生懸命考えて臨んでくれました。結果、大好評で、その日のうちに興奮気味に連絡が来て、「こんな経験は初めてです。ライブハウスでは感じることのなかった感動です」と。以降彼らは積極的に高齢者施設での演奏活動をするようになりました。
こんな出来事ひとつひとつが私が活動を続けるチカラになっています。
ABC-SAPPOROは、音楽をやりたい人とやって欲しい人をお繋ぎするだけです。団体としての成果は目に見えなくとも、関わる人々が音楽によってHappyになってくれればそれでいいと思っています。
5.課題と抱負
(1)課題
- いろいろな機会に本会の活動についてPRをしていますが、なかなか認知度が上がらず、オファーの数は思うように上がりません。
- 地域の公共施設運営管理者や高齢者施設運営団体などへDM(ダイレクトメール)を出していますが、ほとんど反応がありません。
-
一方で、それらの団体などが音楽イベントを思うように企画できていないという実態もよく耳にします。
※やはり、会の認知度を上げることが重要と痛感しています。 - オファーにお応えしたり、自主事業を企画したりする中で、地域のお集まりは平日日中開催が多く、その場合には出演できるミュージシャンが限られてきます。社会人バンドの宿命ではありますが、高齢者施設での演奏がボランティア休暇として認められるなど、もうそろそろ社会全体の音楽に対する意識が変わっていっても良いのではないかと思います。
(2)抱負
会を立ち上げた時からの夢があります。出張や旅行で札幌に来た人が、「朝、通勤ラッシュの地下鉄に乗ったら、ビジネスマンやOLさんたちが、みんな楽器を持って通勤してるんだよね~。札幌って不思議なマチだよね~」そんなふうに感じてくれるマチになることが夢です。
●アマチュアバンドコミュニティさっぽろ(ABC―SAPPORO)
ABC―SAPPORO ホームページ
http://abcsapporo.web.fc2.com/
https://ja-jp.facebook.com/abcsapporo/
●さっぽろまちづくり活動情報サポートサイトまちさぽ
https://sapporo-machizukuri.com/art/8.html
(2022年11月4日公開)
※ 皆さまの活動を掲載しませんか? ご希望の方は、下記のページをご覧ください。
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※ 音楽文化創造では、地域音楽コーディネーター資格取得の養成講座を実施しております。詳しくは下記をご覧ください。
「地域音楽コーディネーター」
#地域振興
#音楽祭、コンサート