活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】仲間と一緒に演奏の喜びと楽しさを感じてもらえる様に

(2023年06月30日公開)

地域音楽コーディネータ― チェリスト 東京都 百瀬郁子さん

洗足学園中学高等学校フィルハーモニー管弦楽団
洗足学園中学高等学校フィルハーモニー管弦楽団
■活動テーマ:
仲間と一緒に演奏の喜びと楽しさを感じてもらえる様に
■目次:
■活動開始時期:
2013年~現在
■場所:
川崎市 洗足学園中学高等学校 コンサート会場(前田ホール)
■対象:
中学1年生~高校2年生
■活動内容

1.きっかけ

私はチェリストとして演奏と個人レッスンの指導をしています。ある日私の学生時代の先輩から、洗足学園中学高等学校フィルハーモニー管弦楽団(通称Sオケ)でチェロの指導をしてほしいと声をかけていただきました。オーケストラ指導は今までの経験を学生たちへ還元し、また今後の自分自身のチェロ人生にとってかけがいのない機会と思い、引き受けて10年が過ぎました。

2.具体的な内容

(1)部活動として

部活の目的は、毎年3月に行われる定期演奏会です。指揮者には世界的に有名な秋山和慶先生を毎年お迎えして、一流の指導を受け本番に向けて練習しています。部員は中学1年生〜高校2年生で総勢160名程で多くは初心者です。この学校の部活動は経験やレベルに関係なく誰でも入部できき、また兼部(複数の部活)も認めているのが特色です。入部する生徒の理由は、

  1. オーケストラ入部が目的でこの学校へ入学
  2. オーケストラの定期演奏会を鑑賞してカッコ良いと思った
  3. 兼部ができるので入った

など理由は様々です。

部活の体制は音楽以外の教科の先生が顧問をしています。指導陣はほとんど洗足学園大学の卒業生49名で音楽監督を置いています。コンサートのプログラムは高校2年生が作成し、年間スケジュールは音楽監督が決めます。楽器は中学1年生のみ貸与できますが、中学2年生以降続ける場合は楽器を購入していただくのが条件になります。

(2)練習

各セクション(弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器)にそれぞれ3〜7え名程の指導者が担当し、毎回の練習にパートごと(弦楽器でいえばヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)に2〜3人指導に当たっています。パート練習以外にも分奏(弦楽器セクション、管楽器セクション)を行い本番が近づくと全体合奏の練習が増えます。コロナ禍の夏休みではオンライン方式で個人レッスンを行いました。各生徒のレベルチェックを行い乗り番(本番で演奏する人)と降り番(出番がないのでステージに乗らない人)を決めています。ほとんどが初心者なので、重要なのは楽器をはじくのは楽しいと思えるように心がけ、その上で基礎技術をしっかり指導しています。本番の指揮者が秋山先生ですので、先生がおっしゃることが高度なことでも理解して弾(ひ)けるように指導しています。

(3)コンサート内容

プログラムは一般の方々が一度は耳にしたことがあり、楽しめるようにクラシックからミュージカル作品まで幅広い音楽ジャンルより選曲します。下記が一例です。

<クラシック>

  • ・ハチャトリアン バレエ音楽 ガイーヌより「剣の舞」『バラの乙女たちの踊り』『子守唄』『レスギンカ』
  • ・シベリウス 交響詩フィンランディアOp.26
  • ・L.アンダーソン「プリンク・プランク・プルンク」「フィドル・ファドル」「ワルツィング・キャット」「タイプライター」
  • ・チャイコフスキー バレエ音楽 組曲『白鳥の湖』Op.20

<ミュージカル作品>

  • ・ウエスト・サイド・ストーリー(曲:レナード・バーンスタイン)
  • ・オペラ座の怪人(曲:アンドリュー・ロイド・ウェバー)
  • ・レ・ミゼラブル メドレー(曲:アンドリュー・ロイド・ウェバー)
  • ・サウンド・オブ・ミュージックメドレー(曲:リチャード・ロジャース)

<過去3年間のチラシ>

(4)生徒の反応

3月の定期演奏会は1年かけて練習をした集大成です。終了後は『疲れたー』という言葉を発する生徒もおりますが、その言葉からはうれしさがあふれ達成感を感じているように思います。日常の勉強が忙しい中、部活のオーケストラとの両立が難しくなり演奏会終了後辞めようと決めて本番に臨む子もいます。しかし本番を経験することで感動を得、辞めることを思いとどまり高校2年生の最後まで頑張って続けた生徒もいます。それぐらい彼女たちにとってこの演奏会は人生において貴重な経験だと感じているはずです。

3.課題

部活動なので毎年部員が入れ替わり経験者と初心者が混在する中、初心者にいかに弾(ひ)けるようにするかが課題です。指導形態はほとんどグループレッスンなので、個人レッスンに時間を取ることが難しいのが現状です。質を保ちあげていくには、個人レッスンとパート練習ができる時間がコンスタントに確保できると良いのですが。

4.抱負

勉強が忙しく定期演奏会だけでもスケジュールが一杯な生徒ですが、将来高齢者ホームや障害者施設などのいろいろな場所での訪問演奏会ができれば良いと思います。第1歩としては洗足附属幼稚園・小学校の学校内で演奏会を開催することです。これからも音楽を、音を楽しむと書く漢字のように伝えていきたいです。

(2023年6月30日公開)

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