全国生涯学習音楽指導員協議会
浜松支部代表 岡田智恵子さん
■活動タイトル
Ⅰ.浜松こども音楽セミナー&子ども音楽フェスティバル
Ⅱ.委託事業―音楽科鑑賞授業
私どもが推進した二つの事業の報告をいたします。
■場所:浜松市浜北文化センター大ホール
■出演:市内の小中学校57校から小中学生約240名他、ボランティア高校生&大学生訳110名、計350名
■活動内容
高校生、大学生にとっては小中学生を指導する事で成長する姿が見えてきます。また子ども達は異年齢の接点が少なくなってきている現代社会、世代間の交流を通して音楽の楽しさを体感します。演奏する楽しさだけでなく学校を超えた交流も貴重な場になり、共に音楽の力によって相乗効果が生まれます。
各講座は3回で構成されており、指導者は限られた時間で指導計画を立て指導にあたるのは大変ですが、その結果完成度、満足度が高いものと評価を得ています。目標は3回の講座で完成したものを合同でフェスティバルとして完結します。その内容を下記にご説明いたします。
■演奏曲目
小学生低学年
グリーングリーン(B.マクガイア、R.スパークス詞、曲)を演奏。
■場所:A小学校
■対象:小学1年生~6年生
この授業の中からいくつかをご紹介いたします。
楽器紹介やよく知られたメロディーが盛り込まれた演奏に活動的な4年生もじっくり鑑賞していました。生のフルート、クラリネットの音の存在感に子供たちは驚きの声をあげていました。
しかしながら、学校現場では、生の音楽に触れたり音楽の世界を広げ、より深く体験したりする機会が少ないのが現状です。音楽の魅力をいかに伝えるか……ここに、専門家による授業支援が必要となってきます。プロによるクオリティの高い音楽体験を通して子どもたちに感動や刺激を与えることができる。子どもたちに音楽の素晴らしさや魅力をより伝えることができると。つまり、専門家・演奏家が学校と協働することによって音楽教育の質を高め、学校教育の充実につながるのです。専門家が学校の授業にかかわるという意味はそこにあると思います。
我々生涯学習音楽指導員は、まず演奏を聴いてもらう事から授業を始めます。生徒たちは各楽器の演奏者の姿、音色を生で聴く事により、その楽器構造や音の鳴らし方等、直接見て聴いて学ぶことが出来ます。
今回の経験を基に生涯学習音楽指導員が学校という教育現場、音楽の授業内容を把握理解しながら、内容を構築していきたいと思います。そのためには学校側と充分にコミュニケーションを取りながら、子ども達へ音楽のいろいろな楽しみ方、感じ方を伝えていきたいと思います。
2020年度は残念ながらコロナ禍の影響を受けました。この難局を音楽で乗り越えていける事を皆で願っております。
浜松支部代表 岡田智恵子さん
■活動タイトル
Ⅰ.浜松こども音楽セミナー&子ども音楽フェスティバル
Ⅱ.委託事業―音楽科鑑賞授業
私どもが推進した二つの事業の報告をいたします。
【Ⅰ.浜松こども音楽セミナー&子ども音楽フェスティバル】
■日時:2019年12月15日■場所:浜松市浜北文化センター大ホール
■出演:市内の小中学校57校から小中学生約240名他、ボランティア高校生&大学生訳110名、計350名
■活動内容
1.背景
「浜松子ども音楽セミナー」は、文部科学省が「音楽で心の居場所づくり」を目指し平成16年度(2004年)からスタートいたしました。その後、平成19年(2007年)から浜松アクトシティ音楽院主催の「コミュニティコース」事業として新たに継続実施してきており2019年で16回目を迎えます。2020年はコロナのため、残念ながら3講座のなか2講座のみ実施。フェスティバルは中止となりました。2.講座の目的と特徴
講座は、3つの部門で成り立っています。受講者の小中学生に対し、生涯学習音楽指導員のそれぞれの専門分野(邦楽、吹奏楽、洋楽)の指導で行われます。さらに高校生、大学生がアシスタントとして加わることにより、細やかなサポートが出来、笑顔溢れた楽しい雰囲気で進めています。高校生、大学生にとっては小中学生を指導する事で成長する姿が見えてきます。また子ども達は異年齢の接点が少なくなってきている現代社会、世代間の交流を通して音楽の楽しさを体感します。演奏する楽しさだけでなく学校を超えた交流も貴重な場になり、共に音楽の力によって相乗効果が生まれます。
各講座は3回で構成されており、指導者は限られた時間で指導計画を立て指導にあたるのは大変ですが、その結果完成度、満足度が高いものと評価を得ています。目標は3回の講座で完成したものを合同でフェスティバルとして完結します。その内容を下記にご説明いたします。
3.講座内容
<邦楽講座>
日本の伝統楽器、箏等の邦楽器の魅力を体験できます。高校生邦楽部のアシスタントが子ども達には楽しみの一つです。演奏だけではなく礼儀、作法を知る場として保護者にも関心の高い講座になっています。■演奏曲目
小学生低学年
- さくら舞曲(大月宗明曲)
- こきりこ(佐藤義久編曲)
- 通りゃんせ(水野利彦編曲)
- 手事「手事」(宮城道雄曲)
<洋楽講座>
小学生がよく知っている身近な曲にjazzの名曲を加え歌とダンスでスイングします。英語を入れたり振付の一部をグループにわかれて自分たちで考えたり積極的に参加できるようにしています。グリーングリーン(B.マクガイア、R.スパークス詞、曲)を演奏。
<吹奏楽講座>
浜松では吹奏楽が盛んで、常に多くの受講生であふれています。小学生と中学生に分かれて吹奏楽の名曲に取り組みます。高校、大学の吹奏楽部のメンバーがパート練習、グループ練習を優しくサポートします。「演奏曲目」
小学生- 茶色のこびん~みんなが主役(J.ウインナー曲 水口 透編曲)
- シーゲート序曲(J.スウェアリンジェン曲)
- アラジンメドレー(A.メンケン曲 三浦秀秋編曲)
- クリスマス・キャロル・ファンタジー(星出尚志編曲)
【Ⅱ.音楽科鑑賞授業】
■日時:2020年6月~2021年2月■場所:A小学校
■対象:小学1年生~6年生
1.背景
A小学校より音楽科授業の鑑賞・歌唱の学習において「プロの生の演奏を聴いたり、指導を受けたりしたい」との依頼がありました。学校と浜音協とで協議し、下記の表のように9事業が決定し、学校側担当者と浜音協事業コーディネーターとで、その都度検討、調整を図りながら実施いたしました。2.授業内容
下記の表は年間を通して行った内容をまとめたものです。令和2年度 A小学校委託事業「音楽科鑑賞授業」
事業NO. | 学年 | 内容 | 場所 | 時期 | 時間 | 派遣者 |
---|---|---|---|---|---|---|
No.1 | 1 | おと探し ・打楽器の正しい奏法 ・音の感じや曲想を表すときの言葉 *次単元の音楽づくりに向けて |
体育館 | 11月 | 45分 | NPO法人浜音協会員 |
No.2 | 2 | わらべ歌の紹介 ・遠州地方のわらべ歌、手遊び、一人遊び歌、縄跳び歌など |
体育館 | 2月 | 45分 | NPO法人浜音協会員 |
No.3 | 3 | リコーダーの基本的な演奏の仕方 | 体育館 | 7月 | 45分 | 外部人材を依頼 |
No.4 | 3 | ハミングを中心とした歌唱(各クラスごと) | 音楽室 | 11月、12月 | 45分×3 | NPO法人浜音協会員 |
No.5 | 4 | クラリネットとフルートの音色に親しむ | 体育館 | 12月 | 45分 | NPO法人浜音協会員 |
No.6 | 4 | 箏(こと)の体験(各クラスごと) ・日本の伝統音楽に親しむ ・演奏の仕方 |
音楽室 | 2月 | 45分×3 | NPO法人浜音協会員 |
No.7 | 5 | 弦楽器の音色に親しむ | 体育館 | 2月 | 45分 | 外部団体に依頼 |
No.8 | 6 | マリンバの音色に親しむ | 体育館 | 6月 | 30分 | NPO法人浜音協会員 |
No.9 | 6 | 雅楽 ・日本に古くから伝わる音楽に親しむ ・竜笛、篳篥、笙 |
体育館 | 1月 | 45分 | 外部団体に依頼 |
この授業の中からいくつかをご紹介いたします。
「授業No.8」 6月 マリンバの音色に親しむ
6年生対象の鑑賞授業です。マリンバの演奏を間近で聞きマレット2本、4本からなるハーモニーにマリンバのすばらしさを実感しました。「授業NO.3」 7月 リコーダー 基本的な演奏の仕方
3年生対象の授業です。ウォーミングアップ体操から始まりいつも見ているリコーダーの構造などクイズを交えて説明した後、あらためて持ち方、姿勢、吹く際のポイントを確認しました。様々なリコーダーでの演奏や音色の美しさに感動していました。「授業NO.1」 11月 音探し 打楽器の正しい奏法
1年生の音楽の授業です。普段見慣れた打楽器一つ一つを使い歴史、基本的な叩き方を説明しました。少し専門的な表現や音色の変化など、生涯学習音楽指導員が演奏しました。身近な楽器から素敵な音が出る奏法に興味がわいたようでした。実際手に取って叩いて実感してほしかったのですがエアー楽器で体験しました。「授業NO.4」 11月 ハミングによる歌唱
3年生対象の授業です。コロナ渦の中で声の活動が制限されている中での授業。子供たちは体をいっぱい動かしながら楽しく活動していました。歌唱は体の使いかたも大事な部分です。「授業NO.5」 12月 クラリネットとフルートの音色に親しむ
4年生対象の鑑賞授業です。楽器紹介やよく知られたメロディーが盛り込まれた演奏に活動的な4年生もじっくり鑑賞していました。生のフルート、クラリネットの音の存在感に子供たちは驚きの声をあげていました。
3.学校での音楽授業の現状へ
学校は教育の目的を達成するための実践の場です。各教科の目標や学年の目標が明確に示されており、それを具現化するために発達段階に即した指導が年間カリキュラムに基づいて行われています。授業を通して継続的に学習を進めることにより音楽科で育成を目指す資質や能力(構造等の知識や歌唱・楽器・音楽作りなどの技能、音楽表現を考えて聴く、意図や思いをもって聴く力、学習に向かう力、協働して音楽活動をする楽しさ 等々)が徐々に身に付いていくのです。学校では、そのようなことを押さえて日々の授業を行っています。しかしながら、学校現場では、生の音楽に触れたり音楽の世界を広げ、より深く体験したりする機会が少ないのが現状です。音楽の魅力をいかに伝えるか……ここに、専門家による授業支援が必要となってきます。プロによるクオリティの高い音楽体験を通して子どもたちに感動や刺激を与えることができる。子どもたちに音楽の素晴らしさや魅力をより伝えることができると。つまり、専門家・演奏家が学校と協働することによって音楽教育の質を高め、学校教育の充実につながるのです。専門家が学校の授業にかかわるという意味はそこにあると思います。
4.授業を終えての感想
今回この活動を実施してみて、学校での音楽授業の上に鑑賞教室が加わる事で、子ども達が音楽に一層興味を示してくれた事は有意義だったと感じました。我々生涯学習音楽指導員は、まず演奏を聴いてもらう事から授業を始めます。生徒たちは各楽器の演奏者の姿、音色を生で聴く事により、その楽器構造や音の鳴らし方等、直接見て聴いて学ぶことが出来ます。
今回の経験を基に生涯学習音楽指導員が学校という教育現場、音楽の授業内容を把握理解しながら、内容を構築していきたいと思います。そのためには学校側と充分にコミュニケーションを取りながら、子ども達へ音楽のいろいろな楽しみ方、感じ方を伝えていきたいと思います。
【二つの事業についての今後の抱負】
誰でもいつでも、どこでも、どのような形でも音楽の楽しさを感じることができる環境づくりを地域の自治体、音楽家、音楽団体等と共に目指す事、又この活動の理念の一つである音楽を通して学校、世代を超えて共有できることを今後も継続していきたいと思います。そのためには生涯学習音楽指導員として個々の専門性をさらに磨き、より良い指導法を研究する事が重要と考えます。2020年度は残念ながらコロナ禍の影響を受けました。この難局を音楽で乗り越えていける事を皆で願っております。
NPO法人浜松生涯学習音楽協議会 事務局
〒432-8002 浜松市中区富塚町200-48
TEL/FAX 053-473-9732
MAIL:minnadeongaku.hamamatsu@gmail.com
〒432-8002 浜松市中区富塚町200-48
TEL/FAX 053-473-9732
MAIL:minnadeongaku.hamamatsu@gmail.com