生涯学習音楽指導員 東京都 丸山由美子さん
■ 活動テーマ:笑顔あふれる音楽の時間を
■ 日時:2016年~2019年 月1回 60分(コロナ禍で1年間お休み)
2021年4月~再開。年間 6回
■ 場所:東京都板橋区 A知的障がい者福祉施設
■ 対象:19歳~50代の障がい者 計24名
■ 活動内容
消極的な人たちは、いつも後ろの方にいるので、リズム打ちやダンスなどをする時に、 私が移動して一人ずつに声を掛けるようにしています。少しずつではありますが、 できるようになり本人たちの自信につながっていく姿を見て、指導者として大変意義深く感じます。
「踊ることや歌うことが好きなので、利用者がストレスを発散できる場となっています。 また、職員もダンスをノリノリで一緒に踊っています。」とお話してくれました。 この活動は施設の方との協働で成り立っていると再認識します。
様々な曲に触れて欲しいと思い、知らない曲に挑戦しましたがノリが悪く、翌月には忘れていました。 月1回では、なかなか覚えられないようです。しかし「お祭り」「イベントでの発表」という目標が明確にあると、 覚えようという意欲が湧いてきます。
歌詞だけを見るよりも音源があった方が歌いやすいので、作成したCDを渡して昼休みなどに職員の方が繰り返し練習してくれています。 手話やダンスの振り付けを職員の方が動画で撮ったものを使用することもあります。
本番当日は、応援に来てくれたご家族や観客のみなさんのエールを力に、 みんなしっかりと自信をもってキラキラとした笑顔で発表しています。
分解できるようになったエレクトーンを持ち運び、演奏を聴いていただいたり、リズム遊びのように参加型のプログラムを組んで楽しんでもらっています。 娘も一緒に行っていますが、今は会場の隅で座っていることが多いです。最近では心も安定してきて笑顔も言葉も戻ってきているので、 コロナ収束後は、きっと一緒に踊ったり歌ったりしてくれるようになると思います。
個人レッスンをしている知的障がいのある生徒が、コロナ禍で緊急事態宣言が発令され自宅待機となっていた時のことを振り返り、こんなことを言っていました。 「あの時エレクトーンがあってよかった~。だってずっとおうちにいて、変になっちゃいそうだったもん」と。
音楽には、人を楽しませたり喜ばせたり、またリラックスできたり発散できたりと、さまざまな力があると思います。 娘を通して知り合ってきた障がいのある人たちは、もしかすると、健常といわれる私たちよりも感性が優れ、 音楽をよりキャッチしているのかもしれません。
音楽活動をとおし、集ってくれた方々の気持ちに寄り添いながら一緒に楽しめる音楽をお届けできるようにと願い、 自身も技術の向上に努力していきたいと思います。
■ 活動テーマ:笑顔あふれる音楽の時間を
■ 日時:2016年~2019年 月1回 60分(コロナ禍で1年間お休み)
2021年4月~再開。年間 6回
■ 場所:東京都板橋区 A知的障がい者福祉施設
■ 対象:19歳~50代の障がい者 計24名
■ 活動内容
【1.活動を始めたきっかけ】
私の娘は障がいを持っています。その関係で地域の「知的障がい者の親の会」の活動を長く続けてきました。 多くの方々に知り合う中で、A施設の「コーラスの時間」を担当されていた先生が退任されるとのことで後任を探されており、お声を掛けていただきました。 私が今まで携わってきた音楽が少しでも皆さんのお役に立てるかと思い、引き受け現在に至ります。【2.具体的な活動】
(1)内容と指導にあたっての留意点
- 施設にあるキーボードを扱って「歌唱」、「手話コーラス」、「ダンス」、「リズム打ち」等を組み合わせて指導します。 利用者は若くて(20~30代が多い)元気な方が多く、また作業中は下を向いている時間が長いので、体を使って動きやすい曲を選びダンスやストレッチをして気分転換を図っています。 曲目は季節に合わせた童謡やJ-pop(1990年代から現在まで)、流行っている曲を選びます。
- 年1回の施設のイベント「秋まつり」では利用者に発表したい曲を相談しながら決め、手話表現やダンスの振り付けを考え、プログラムに変化を持たせるように企画します。 発表の時には、事前に私がエレクトーンで演奏した曲をCDに録音した音源を使用し利用者へできるだけ気を配れるように考え実施しています。
(2)「〇〇コンサート」友情出演 (2018年7月)
地域のコーラスグループ主催のコンサートに出演しました。 詩人の金子みすゞさんの曲を2曲歌い、ダンスも元気に踊ってお客様たちに大変喜ばれました。 耳慣れない曲と歌詞でしたので覚えるのに苦労しましたが、月1回の音楽の時間の他に、昼休みに職員の方と一緒に繰り返し練習しました。【3.利用者の反応】
毎回の時間をとても楽しみにしてくれています。歌唱は、日頃カラオケなどで歌っているようで大きな声で歌います。 音程や表現を指導したりしましたが、それよりも本人たちが楽しむことが優先と思い、のびのびと自己表現できる場にしたいと考えています。消極的な人たちは、いつも後ろの方にいるので、リズム打ちやダンスなどをする時に、 私が移動して一人ずつに声を掛けるようにしています。少しずつではありますが、 できるようになり本人たちの自信につながっていく姿を見て、指導者として大変意義深く感じます。
【4.施設職員の協力】
構成や内容についてはご理解いただきお任せいただいています。 活動の終了後には、当日の内容をお伝えする中で普段の利用者の様子を教えてくださったり、 お祭りの発表の曲を決める時など、相談にのってくださいます。「踊ることや歌うことが好きなので、利用者がストレスを発散できる場となっています。 また、職員もダンスをノリノリで一緒に踊っています。」とお話してくれました。 この活動は施設の方との協働で成り立っていると再認識します。
【5.課題と解決策】
当初は、前任者が行ってきた活動をどのように引き継いでいこうかと悩みましたが、 利用者たちのこだわりはなく、私の選曲や内容を受け入れてくれました。様々な曲に触れて欲しいと思い、知らない曲に挑戦しましたがノリが悪く、翌月には忘れていました。 月1回では、なかなか覚えられないようです。しかし「お祭り」「イベントでの発表」という目標が明確にあると、 覚えようという意欲が湧いてきます。
歌詞だけを見るよりも音源があった方が歌いやすいので、作成したCDを渡して昼休みなどに職員の方が繰り返し練習してくれています。 手話やダンスの振り付けを職員の方が動画で撮ったものを使用することもあります。
本番当日は、応援に来てくれたご家族や観客のみなさんのエールを力に、 みんなしっかりと自信をもってキラキラとした笑顔で発表しています。
【6.今後の抱負】
「いつか、娘と一緒に音楽活動をしていきたい…」娘が幼い頃、そんな夢を抱いてきました。2018年頃から、 地域の高齢者の集まりや特別支援学校、施設のイベントなどに呼んでいただくことがあり音楽活動を行っています。分解できるようになったエレクトーンを持ち運び、演奏を聴いていただいたり、リズム遊びのように参加型のプログラムを組んで楽しんでもらっています。 娘も一緒に行っていますが、今は会場の隅で座っていることが多いです。最近では心も安定してきて笑顔も言葉も戻ってきているので、 コロナ収束後は、きっと一緒に踊ったり歌ったりしてくれるようになると思います。
個人レッスンをしている知的障がいのある生徒が、コロナ禍で緊急事態宣言が発令され自宅待機となっていた時のことを振り返り、こんなことを言っていました。 「あの時エレクトーンがあってよかった~。だってずっとおうちにいて、変になっちゃいそうだったもん」と。
音楽には、人を楽しませたり喜ばせたり、またリラックスできたり発散できたりと、さまざまな力があると思います。 娘を通して知り合ってきた障がいのある人たちは、もしかすると、健常といわれる私たちよりも感性が優れ、 音楽をよりキャッチしているのかもしれません。
音楽活動をとおし、集ってくれた方々の気持ちに寄り添いながら一緒に楽しめる音楽をお届けできるようにと願い、 自身も技術の向上に努力していきたいと思います。