活動事例

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【事例紹介】学校の音楽室をコンサートホールに~子ども達の音楽会

地域音楽コーディネーター 東京都練馬区 高橋亜希子さん

■活動タイトル:学校の音楽室をコンサートホールに~子ども達の音楽会
子ども達の音楽会
子ども達の音楽会
■日時:2019年3月3日(日)
■場所:練馬区立大泉南小学校 第一音楽室
■対象:東京都練馬区大泉南小学校 在校生他

■活動内容

1.活動を始めたきっかけと目的

ピアノを指導している際、子ども達が生演奏を『聴く』という経験が足りない事に気付き、何かその場を作ってあげたいと考えました。乳幼児の時には親子でコンサートを楽しんだりする経験があったと思います。しかし小学生になると勉強や習い事が忙しくなり、なかなか家族でコンサートなどに行かなくなってしまいます。

そこで子ども達が通っている学校で発表の場を作れば自分の演奏を聴いてもらう事もでき、友達の演奏を聴く良い機会にもなると考えました。学校は子ども達にとって慣れ親しんでいる環境であり気軽に参加でき、また保護者にとっても送り迎えなどの負担が関わらない最適な場所です。

2.企画を進めるにあたって

当時、学校には「大泉南小サポートクラブ」という親父の会がありました。まずそこで提案しその後、クラブの方と一緒に校長先生を訪ね説明する機会を得ました。

ひとりでは門前払いだったと思いますが、活動実績のあるクラブの皆様のおかげで校長先生とPTA会長に聞いていただけ「一度やってみてもいいですよ」と理解と共感を得ました。最初の発表会は評判が良く、その後は参加した子ども達や保護者様に毎年開催して欲しいと言われ、10年継続することができました。

3.コンサート内容

出演者は私の生徒を中心に他の指導者に習っている生徒や、卒業生にも参加してもらいました。合わせは1〜2回。家に来てもらったり音楽室を借りたりしました。内容はピアノソロ、連弾他二重唱、ヴァイオリンや管楽五重奏のアンサンブルなど変化に富むプログラムになりました。

詳細は下記のプログラムをご覧ください。

4.コンサート当日までの流れ

12月1週目 参加者募集のプリント(申し込み用紙)を全校生徒へ配布
学校の印刷機で印刷し、各クラスに分け、先生に配っていただきます。
申し込み用紙には必要事項(参加者の氏名、学年クラス、曲名、作曲者名、伴奏の有無)を記入し、担任の先生経由で副校長のところに集め、締め切り後担当者が回収。
冬休み前 プログラム作成
申し込みの人数や曲目により、調整し出演者、演奏曲目を決定。
1月3週目 出演者へ案内
封筒で出演決定の案内、当日タイムスケジュール及びプログラムを伝達。演奏曲目についてはタイトル含め確認。
2月2週目 全校生徒へコンサートチラシ配布
3月1週目 コンサート当日
9:30〜10:00  コンサート会場(音楽室)の設営
10:00〜12:00 リハーサル、終了後一旦帰宅。
12:45      音楽室に集合
13:00〜16:00 本番
終了後      皆で教室を基に位置に直し終了

5.留意点

①継続するにあたって

最初はコンサート出演者同士で盛り上がっていても、学校というのは、子ども達が卒業したり転校したり、先生の移動がありその時々で状況が変わります。企画においては、その時の状況を鑑み内容的に欲張らず、一人でもできるくらいの規模感にしておくと長く続けられると思います。 参加者へは手伝って欲しいことをまとめ、手紙に書いて依頼しておくと協力してくれます。

②子ども達が主役

コンサートのタイトルは自分達が主役だと思ってもらえるように「子ども音楽会」とタイトルをつけました。一年生も自分で読めるように呼びかけ文の漢字にはすべてルビをつけました。

6.成果

①子ども達の自主性

最初は650人の学校で参加者25人くらいでしたが、一時期40人を越す程盛況になり2ステージに分ける時もありました。

子ども達は学校でピアノを演奏するのはとても嬉しい様で、おじいちゃん、おばあちゃんや近所の方々へ声掛けし聴きに来る方が増えてきました。移動になった先生に手紙を書いて聴きにきてもらっている子もいました。

卒業しても弾きに来てくれる子もいて、小学生は迫力のある演奏に憧れ、いつかあの様に弾きたいと目標を持つことができてとてもいい刺激になったと思います。

お客様が多いと音楽室の椅子だけでは足りなくなり、気が付いた子ども達は自主的に近くの教室から持ち運んでくれました。後で返せるか心配でしたが、番号をつけたり、黒板にメモしたり、テープなどで印をつけたり工夫していました。 信頼して任せれば、自分の判断で責任を持って動くものなのだな〜と感心しました。

②先生方と保護者の参加

校長先生の指揮で子ども達が歌ったり、副校長が実はソプラノだったり、教員の中にジャズトロンボーンを吹く方がいたりなど新しい発見がありました。音楽を絆に学校全体の一体感をこの時感じました。

また習い始めたばかりのチェロを弾く保護者など、年々大人が参加する様になってきました。まさにここが生涯学習の披露の場になり、企画がだんだん変化していくのは嬉しかったです。

③地域との連携

地域で子ども達の成長を見守る、そこにはとても優しい空間がありました。年に一回の事でしたが朝の掃除から片付けまで全員で行い、良いチームワークができました。 また発表会の機会がない子ども達も参加できる唯一の発表の場なので、ぜひ継続して欲しいという保護者の声もありました。

7.課題

(1)内容面

各年のプログラムに特色や変化を持たせるため、ソロ演奏に加え、連弾や学校にある鍵盤ハーモニカ、コンガ、タンバリン、カウベルを使ってアンサンブルをしたことがあります。

当時NHK朝の連続ドラマ『あまちゃん』が流行っていたので『あまちゃん合奏団』と名付けてテーマを小学校2年生2人、5年生3人と私とで演奏し、とても喜んでいただきました。しかし次の年は特に工夫をしなかったのでお客様にがっかりされた事があります。 毎年企画を一人で考えるのには限りがあるので、多くの人が参画していろいろなアイデアを出していく事が大切だと感じました。

(2)運営面

学校内で発表会を開催する際には、参加費をいただくことはできませんでした。しかしプログラム作成費などの経費がかかるため、当日受付に貯金箱を置いておき100円カンパをお願いしました。たまに一円玉や五円玉も入っていてユニセフ募金みたいに子ども達が入れているのかと思うとホッコリしました。

しかし、現在新型コロナウィルス感染防止対策のため学校での開催は難しくなりました。今後ホールなどで開催するとなれば会場費がかかりますので収支面を考慮せねばなりません。

8.今後の抱負

今までの10年の経験より全国の学校が音楽を通して地域住民の交流の場となる様に望んでおります。この企画は最初に記したように目的は演奏する事よりも聴く事を大切にしています。

子ども達にとって、この「子ども音楽会」は今後音楽と共に人生を歩んでいくうえで貴重な機会だったと自負しております。これからも、子ども達の成長を見守っていけるような活動を続けていきたいと思います。




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