生涯学習音楽指導員

活動事例
【事例紹介】音楽の輪 一歩前に出てみよう!

生涯学習音楽指導員 NPO法人健康文化クラブ理事  静岡県磐田市  栗田叔子さん

■活動テーマ 音楽の輪 一歩前に出てみよう!
音楽の輪
音楽の輪
■活動開始年:1985年~現在
■場所:自宅教室、浜松市・磐田市・袋井市公共施設・多目的ホール
■対象:60代~80代

■活動内容

1.活動を始めたきっかけ

ピアノは高度成長時代と共にブームとなり、音楽教室や個人レッスンで習う方が多くいました。しかし、あるレベルまで進むとさまざまな理由で止めてしまい、ピアノはそのまま家の中で使用されずに眠っている状態が多くなりました。

今、日本は高齢化社会、働き方改革の影響か大きく時代は変化しています。その中で高齢者や現役世代を含め「音楽で楽しく老後を過ごしたい」「昔習ったピアノでまた演奏してみたい」「ピアノを習ってカラオケの曲の弾き語りをしたい」「音楽で地域を盛り上げたい」という方々が私の周辺に増えてきました。

この様な思いを持っている人達へ、指導者として私の夢も含め叶えて行きたいと心に決めました。また福祉施設訪問コンサートや「歌声広場カナリア」などの活動に自分自身参加して音楽の真の姿を実感したのが大きかったと思います。

2.具体的な活動内容

A.ピアノ個人レッスン

  • 生徒は60代~80代の男女で、カラオケ教室に通っている方もいます。経験者は70%、初心者30%の割合です。
  • 1回45分、月2回の個人レッスンでジャンル問わず、ソロ演奏や連弾などで楽しんでいます。同じ趣味を共有する機会として「大人のプチコンサート」も不定期に開催しています。
    下記に曲の一例をあげます。
    クラシック:『G線上のアリア』(J.S.バッハ曲)『花の歌』(G.ランゲ曲)
    日本歌曲・童謡:『荒城の月』(滝廉太郎曲)『砂山』(中山晋平曲)
    タンゴ:『ラ・クンパルシータ』(G.M.ロドリゲス曲)
    シャンソン:『恋心』(E.マシアス曲)
    J.POP:『そっとおやすみ』(クニ河内曲)― 弾き語りStory(AIの歌で 2Soulの曲)

B.歌声広場カナリア(NPO法人健康文化クラブ主催)

(1)設立の目的と組織体制

この法人は、2003年に大阪音大短期学部声楽科を卒業され、現在は袋井市協働まちづくりセンター長でもある山鳥裕子氏が、「全ての人に対して健康で文化的な生活を支援する事業を行い、地域の活性化と文化振興に寄与すること」を目的に静岡県袋井市に設立されました。

2021年度の組織体制は理事9名、監事2名、正会員10名、賛助会員(講座受講生、歌声広場参加者他)です。その中で私は理事の一人としてコンサートや歌声広場を支えるスタッフとして参加しています。

(2)主な事業

設立後19年間に活動の幅が広がり下記の事業を展開中です。
①生涯学習講座企画(書道、合唱、わくわく歌い隊、太極拳、えんぴつ画、和みのヨガ、健康体操等)
この企画の一つ「わくわく歌い隊」は2012年、東日本大震災復興支援募金活動を目的に結成されました。ステージで歌って踊って募金を集めるコンサート他、地域のイベントにも参加し復興支援を続け、2019年の「ともしびコンサート」をもって募金活動は終了しました。

②歌声広場カナリア事業
2010年に開始され2022年3月現在で延べ148回目を迎え開催、復興支援募金にも貢献しました。2018年までは年間1,500~2,000名が参加する大きな事業です。
<会場>
公共施設の小部屋、磐田市の多目的ホールを使用します。
<内容>
1回90分、600曲の中から選曲、当日はリクエストにもお応えします。楽器はピアノ以外に、アコーディオン、ウクレレ、パーカッションが入り、参加者全員で歌います。

③コンサート企画(ともしびコンサート、福祉施設訪問コンサート等) *コロナ禍休止中 
<ともしびコンサート会場>
袋井市のメロープラザ(複合型多機能公共施設・市民文化ホール)を使用します。
<内容>
合唱クラブ・フラメンコ・フラダンス・わくわく歌い隊などによるコンサートです。企画は総監督の山鳥氏が行いますが、私もスタッフとして参加し、歌い隊のバック演奏に加わります。
曲は『365歩のマーチ』『青春の城下町』『待つわ』『恋の季節』『YMCA』『高校三年生』などの昭和歌謡が多く選曲されます。

④中間支援活動
行政と市民活動の中間で協働まちづくりを推進します。公共サービスで補えない部分を市民活動でカバーしている、まさに健康文化クラブの活動そのもの。他団体とのコラボ、コーディネートで事業展開する仕事です。

3.広報宣伝

NPO法人活動としての広報手段は、地域コミュニティ紙「広報いわた」「広報ふくろい」「いわた新聞堂の情報誌」への掲載と「協働まちづくりセンターふらっと(NPO法人健康文化クラブの所在地)」からの情報発信が主です。

コンサートの広報は上記と合わせて、開催会場をはじめ市内外のコンサート会場にチラシを設置していただきます。さらに参加団体が出演するコンサートでの配布など6,000枚作成配布します。

この二つの活動を通して、参加者がより積極的に生活の中に音楽を取り入れ人と人が繋がることで、音楽の輪も大きくなっています。

ともしびコンサートの集客数(出演者含む)
2017年(350名)、2018年(400名)、2019年(400名)

4.指導にあたっての留意点

ピアノ個人レッスンを習っている生徒や「歌声広場カナリア」に来て下さる方々の心には、きっと秘めた想いがあります。年代や今まで歩んできた人生さまざまな中、そこにはそれぞれの個性があります。瞬時に感じとる事は容易ではありませんが、個性を引き出し音楽につなげたいと思います。

5.出演者の反応

「大人のピアノプチコンサート」終了後に感想をお聞きしました。皆さん口を揃えて、「家では間違えないで弾けるんだけどねぇ」「わかります、その気持ちとってもわかります」「私もです」と。皆最後には「でもとっても楽しかった」と言ってくれました。

生徒からは、一期一会を大切にしようと思う精神が感じられ、積極的に話し掛けている場面を見ると、講師冥利に尽きます。終わってからも次の目標を立てるスピードがはやく驚いています。

そして、「ともしびコンサート」では演奏後の出演者の笑顔がいつも素晴らしいです。「ステージの上は気持ちがいい」「本番は楽しい」などの声を多数聞きます。

6.今後の抱負

一つは、ピアノの生徒には年齢、音楽ジャンル問わず、誰もが自由に演奏表現できる参加型のコンサートを作りたいと思います。私の夢は講師という立場だけではなく同じ参加者として楽しむ事です。

ソロ演奏はもちろん、他楽器とのアンサンブル(例えば、ジャズを演奏するとすればドラムとベースでピアノトリオの編成他)など、普段一緒に演奏する機会がない方へもそのステージを作ってあげたいと考えています。

もう一つは、コンサートの再開、そして、コロナ禍で歌う事が難しい状況の歌声広場カナリアですが、過去150名の参加実績があるので、いつか大合唱できる日を夢見ています。

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