活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】子どもたちのオーケストラを黒子で支えたい

(2022年11月30日公開)

地域音楽コーディネーター 足利ユースオーケストラ保護者会運営委員
栃木県 飯田路代さん

■活動テーマ:「子どもたちのオーケストラを黒子で支えたい」
orchestra全体12回公演
orchestra全体12回公演
■活動開始時期:2020年~現在
■場所:足利市民プラザ本館、別館
■対象:小学低学年~大学1年生

■活動内容

1.きっかけ

足利で育ち幼児期から中高の吹奏楽部、合唱部、合唱コンクールなど足利市民会館の大ホールの舞台に立つ機会が多くあり、とても身近な存在でした。15年前の2007年、市民会館が「足利ユースオーケストラ」発足の基盤づくりとして「附属子どもたちのためのオーケストラ」が開設されました。

その時期に私はバイオリンを趣味で習っていた関係で、友人の娘さんや私のピアノの生徒が参加したのが最初のお付き合いのきっかけです。その後、「足利ユースオーケストラ」で長女はバイオリン、長男は打楽器で参加し保護者として応援してきました。数年前より保護者会運営委員として、また演奏会の司会等縁の下からお手伝いをしております。

2.足利ユースオーケストラとは

2009年ついに構想から16年の歳月を経て、旧足利市民会館の附属芸術団体として「足利ユースオーケストラ」が発足しました。団員は足利市と両毛地区周辺の子どもから大学生まで現在53名で活動しています。指導陣は全体統括の風岡優先生(元群馬交響楽団コンサートマスター)をはじめとするプロの演奏家です。常任指揮者は工藤俊幸先生(国立音楽大学客員教授)にお願いしています。

年2回の定期演奏会のほか、過去にはオペラ公演やバレエ公演で演奏したこともあります。このオーケストラの良いところは各地域から異年齢の子どもたちが参加しているので年長者が年下の子どもたちを自然と見守るというスタイルができているところです。音楽を通して皆が一体となりコンサートを目標に頑張っています。

3.具体的な内容

(1)練習とコンサート

  • 練習は毎週土曜日15~17時の2時間行います。
  • レンタルが可能な楽器もあります。(月額1,000円)
  • 団費は月額6000円
  • 定期演奏会は年2回 春のコンサートは来春で13回を数えます。
    秋のオータムコンサートは2022年10月8日(土)足利フラワーパークプラザ(足利市民プラザ)で開催いたしました。

(2)保護者会の役割

多くの素晴らしい講師陣が熱心に教えてくださる恩返しとしては到底足りませんが、子どもたちへの指導に専念していただけるようにお手伝いできればと心がけております。団員募集や演奏会のチラシの配布、ポスター掲示のお願いするために飲食店、音楽教室、学童保育、幼稚園、販売店、クリニック等に足を運び、毎月の団費の集金、演奏会の舞台設営のお手伝いなどの一端を担っております。

運営委員は会長1名のリーダーの下、全7名で構成されています。各々仕事をしている方も多いので、都合の良い時に無理なく協力し合っています。皆で自由闊達に様々な意見を出し合い、話ができるところはこの委員会の良さです。また他の保護者の方の大きな協力支援もあり助け合って子どもたちを支えています。

高3まで頑張って続けた団員の卒団式では、一人ずつの挨拶を聞いて涙が出そうになります。保護者の方は、自分自身のことは後回しにして、毎週の送迎や演奏会の準備などにご協力くださるおかげで、ユースオーケストラが成り立っている事に運営委員一同、ありがたさを感じています。

卒団員が演奏会に賛助演奏者としてまたソリストとして舞台に戻って来てくれると歴史を感じて大人たちはジーンと感動します。客席には、団員であるお孫さんを観に来てくださるおじいちゃんおばあちゃんの姿もあり、とてもありがたいです。1人の小さなオーケストラ団員には何人もの応援団がついていることや、お世話になっている皆様に支えられて本番が迎えられることへの感謝を忘れずに、持続可能のオーケストラとして次の世代へバトンタッチできればと思います。

4.課題

55年間、地域の文化的拠点として活躍した足利市民会館が老朽化のため2021年で閉館しました。練習場所も近くの小さな場所に変わりまだ少し慣れません。かつて110名以上いた団員がコロナ禍もあり半分に減ってしまいましたので、団員が増えて楽器編成のバランスも改善されることを全員で期待しています。

5.抱負

現在コロナ禍で休止している病院やショッピングモールでの出張演奏会が復活して、地域住民に子どもたちの生演奏を聴いていただけたら嬉しいです。オーケストラに少しでも興味のある子ども達がもっと多く入団し、みんなで作り上げる音楽の世界を一緒に楽しんでいきたいです。公立の文化施設の附属オーケストラのため、会館の方の大変な努力で文化庁の助成を受けられていることも大変大きいです。地元の企業にも応援していただけている今の状況に感謝を忘れず、日本最古の学校、足利学校のある街のオーケストラとして、子どもたちが音楽を通して豊かな心を育んでいってほしいと願っています。


(2022年11月30日公開)

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