地域音楽コーディネーター ピアニスト、「音楽教室tutti」主宰
埼玉県・所沢市 小山恵さん
■活動テーマ:人生100年時代をより楽しく生きるために
~0歳からシニア世代への音楽指導~ ■活動開始時期:2008年~現在
■場所:所沢市子育て支援センター、所沢市小手指公民館分館、新所沢公民館、富岡公民館、東京都練馬区「ポコアポコ音楽教室」、所沢市榎町「音楽教室tutti」
■対象:0歳~70代
■活動内容
それらの経験を踏まえて、現在は演奏活動するかたわら、乳幼児からシニア世代へピアノ、歌、リトミック(*1)の指導を行っています。音楽という世界共通の文化を通して、幅広い世代の方と感動を共有し、音楽で地域貢献したいと思ったのがきっかけです。
この活動の一番の魅力は、音楽を通して10年を超えてもなお、その人と共に歩める可能性があることだと考えています。
実際に、3~4歳でピアノを始めた子どもが10年を経てショパンやリストの難曲を華麗に弾きこなせるまでになり、60代で歌を始めた方が70代の今も、ドイツ歌曲やオペラアリアに挑戦しながら生き生きと輝いています。
*1)リトミック:スイスの作曲家、音楽教育家が創案した音楽教育法。音楽に合わせて身体を動かす「リズム運動」や「即興演奏」、「ソルフェージュ」の3つの柱で組み立てられ、反射力、集中力、記憶力、創造性を育む。
当時、練馬区の「ポコアポコ音楽教室」にて、0歳~1歳児対象のリトミッククラスを受け持ち、親子への音楽指導を実践していたことを踏まえ、ピアノの名曲コンサート(聴く)と、リトミック(動く)を融合したイベントを企画し開催しました。
それ以降、所沢市小手指公民館分館の年間行事として、「ミニ・ピアノコンサート&元気にリトミック」と題し、年に1~2回のペースで開催しています。これが好評となり、近隣の公民館からも講演の依頼をいただくようになりました。
同公民館では年間を通じて「幼児の栄養」、「絵本の読み聞かせ」など、工夫を凝らした講座が開かれていますが、「ミニ・ピアノコンサート&元気にリトミック」は毎年一番人気のイベントだそうです。毎回、規定人数を大幅に超える申し込みがあり、音楽への関心が高いことが伺えます。
50分の中で、前半は親しみやすいピアノの名曲を集めたミニ・コンサート、後半は広いスペースを活用し、ピアノの音に合わせて簡単なリトミックのレッスンを体験します。(小手指公民館分館では、客席をフラットな状態にし、ピアノと聴き手の目線を合わせることができます。)
ミニ・ピアノコンサートの曲目例…『エリーゼのために』(ベートーヴェン)『トルコ行進曲』(モーツアルト)、『子犬のワルツ&ノクターンOp.9-2』(ショパン)などクラシックの名曲、季節の曲や、人気ドラマの挿入曲や旬の曲(『パプリカ』、『Baby,God Bless You』など)を含めて10曲程度。
リトミックの内容…音楽に合わせて、歩く・走る・ゆっくり歩く・ストップ・ジャンプ・まわる・ゆれる・大きく手拍子・小さく手拍子など、音への即時反応や簡単なベビーマッサージを行います。
リトミックの使用曲…ジブリ、ディズニーソング、季節の歌や手遊び歌、『きらきら星』、ベートーヴェンの『ピアノソナタOp.13「悲愴」第2楽章』など。童謡、ポップス、クラシックを融合し、馴染みのある曲を使用しています。
親しみやすい選曲を心掛け、曲や作曲者についての簡単なエピソードをわかりやすい言葉で話しながら進行します。緩急をつけたプログラム構成で、飽きさせない工夫も必要です。
リトミック体験の際は、成長度合いに応じてそれぞれのペースで行うように案内しています。(月齢の低い子は抱っこで受動的に参加、歩ける子は自発的に動く、など)またリトミックの場合のピアノ演奏は、あまりアレンジを効かせすぎず、拍や強弱、テンポや曲調の違いを明確に奏でるように意識しています。
定年退職を機に、あこがれの『エリーゼのために』を目標にピアノを始める方/お孫さんとの共演を夢見てピアノを始める方/ご主人を亡くされ閉じこもり気味の生活の中で、声を出す機会を持つために歌を始める方/リハビリとボイストレーニングのために歌を始める方など、きっかけや目的は人それぞれです。
ある60代・男性は、二人のお嬢様が音大を卒業し、「ピアノと部屋が空いているから」という理由でピアノを始められました。ご自身は音楽とは無縁でしたが、今ではベートーヴェンのピアノソナタOp.27-2『月光』やショパンの前奏曲Op.28-15『雨だれ』といった名曲にも取り組まれています。すでに二人のお嬢様は独立していますが、長期休暇や年末にご家族が揃った時には、アンサンブルを楽しまれるそうです。
長く看護師として勤められた60代・女性は、退職を機に電子ピアノを購入しました。ハノンなど、基礎訓練をこなしながら、大好きな韓流ドラマの楽曲や、憧れの『エリーゼのために』に挑戦しています。
シニア世代のレッスンで取り組む曲は、クラシックの名曲はもちろん、『エデンの東』や『太陽がいっぱい』といった昔の映画音楽も人気です。原曲で弾くことにこだわりをもって長期的に一曲を練習する方や、弾きやすいアレンジ版で、テンポよくレパートリーを増やしていく方もいらっしゃいます。
レッスンで取り組む曲は、童謡・唱歌や季節の歌から、『Caro mio ben』などのイタリア古典歌曲、シューベルトの『のばら』などのドイツ歌曲、オペラアリア、昭和のフォークソングや青春時代のポップスなどさまざまです。
また個人レッスンでも、講師(私)とパートを分けて二重唱を楽しむことができます。一人カラオケなどで個人で歌を楽しむこともできますが、お互いの音を聴き、一人では味わえない音の広がりを感じられることは、レッスンを受講する醍醐味と言えます。
シニア世代への指導は、ピアノ・歌ともに選曲にも工夫が必要です。シニア世代の好む曲を探るために、「歌い継ぎたい日本の歌」や「わが青春の~」といったテーマの曲集やテレビ番組を参考にすることもありますが、私自身は長く祖母と一緒に暮らしていたため、何よりもその経験が現在の指導に大いに役立っています。
レッスン中のたわいのない会話の中で「あの映画の、あの曲が歌いたいけど、難しいかしら…」などと、生徒さんが自ら希望を伝えてくださることもあり、できる限り、その想いに寄り添いながらレッスンしています。
ピアノも歌も、頭では十分に理解できているのに思うように指が動かない・声が出ないという大人ならではの悩みと直面することがあります。無理のない具体的な練習法を提案し、前向きになれる言葉かけを工夫したうえ、良いところを伸ばす指導を心掛けています。
音楽でリフレッシュすること、音楽で元気になることが大切ですので、毎回のレッスンを気持ちよく終え、前向きな気持ちでご自宅に戻っていただくよう工夫しています。具体的には、レッスンの終盤は余裕をもって弾ける・歌える曲を楽しみ、気持ちよく締めくくるようにしています。
受講生の声:「苦手な歌を習いたいと訪れた体験教室で、小山恵先生の笑顔に一目惚れ、以来10年余り楽しく通っています。グランドピアノの伴奏で思いっきり歌える心豊かな贅沢な時間です♪」
小学生の夏休みの勉強にもなるよう、クイズ形式でピアノの話や、分数ヴァイオリン(*2)やヴィオラのレクチャーを演奏の合間に取り入れました。緩急のあるプログラムを心掛け、ラストの『情熱大陸』は客席から自然と手拍子がおこり、大いに盛り上がりました。
*2)分数ヴァイオリン:子どもの年齢、身長に合わせて作られたヴァイオリンで6種類ほどある。下記の写真を参照。
開室初期の頃は、ピアノソロを私が演奏していましたが、やがてゲストを迎え、連弾やソプラノ歌手、ヴァイオリニストと共演するようになりました。生徒にとっては、ピアノ以外のさまざまな楽器や演奏形態に触れる良ききっかけとなっています。
演奏曲は、クラシックに限定せず、『マツケンサンバⅡ』や『真田丸』など、その時の話題性のある曲なども取り入れています。
クラシックの奥深さも伝えながら、意外性のある曲、ディズニーソングなど誰もが楽しめる曲を上手く融合し、聴衆が「最後まで聴いて良かった!また次回も来たい!」と思える20分程度のプログラムを工夫しています。
また共働きがあたり前の時代となり、子供のピアノレッスン状況も変化しています。
早期教育が良いとされ、多くの人が幼少期からレッスンを希望する反面、送迎が必要なくなる小学3年生頃からピアノを始める子や、ストリートピアノブーム、ピアノ系ユーチューバーの活躍から、高学年になってからピアノを始める子も増えています。逆に、加熱する中学受験の影響で、小3・小4の「いよいよこれから」という時期にレッスンを離れてしまう子も見受けられます。
指導者として、一人一人の目的や状況に寄り添って柔軟に対応できるように、こちらも自分の価値観を押し付けることなく、時代に沿った考え方やアプローチを模索し続ける必要があると考えています。
近年は、スマートフォンひとつで世の中の多くのことが完結する便利な時代となったうえ、コロナ禍により人と人とのつながりが失われつつあります。このような時代にも音楽を通して感動を共有し、人のあたたかさを感じるコミュニティを提供できるよう、音楽指導(レッスン)、演奏活動(演奏会の企画・ピアニストとしての活動)ともに邁進してまいります。
私の住む所沢市は、所沢市民センターミューズをはじめ、大小さまざまな素晴らしい音楽施設があり、市としても、「音楽のある街づくり」を掲げています。
私一人の力でできることには限りがありますが、同じ志を持つ地域の音楽家とのご縁も大切にしながら、地域音楽コーディネーターとしてさらに活動の幅を広げ、音楽で街を盛り上げていきたいと考えています。
●音楽教室tutti ホームページ
http://r.goope.jp/mstutti
(2023年2月6日公開)
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「皆さまの活動を掲載しませんか」
※ 音楽文化創造では、地域音楽コーディネーター資格取得の養成講座を実施しております。詳しくは下記をご覧ください。
「地域音楽コーディネーター」
埼玉県・所沢市 小山恵さん
■活動テーマ:人生100年時代をより楽しく生きるために
~0歳からシニア世代への音楽指導~ ■活動開始時期:2008年~現在
■場所:所沢市子育て支援センター、所沢市小手指公民館分館、新所沢公民館、富岡公民館、東京都練馬区「ポコアポコ音楽教室」、所沢市榎町「音楽教室tutti」
■対象:0歳~70代
■活動内容
1.きっかけ
5歳(年長時)よりピアノを始め、音楽大学へ進みました。卒業後は大手楽器店のインストラクターとして、音楽指導、教室運営業務、イベント企画、楽器販売など、さまざまな仕事に携わってまいりました。それらの経験を踏まえて、現在は演奏活動するかたわら、乳幼児からシニア世代へピアノ、歌、リトミック(*1)の指導を行っています。音楽という世界共通の文化を通して、幅広い世代の方と感動を共有し、音楽で地域貢献したいと思ったのがきっかけです。
この活動の一番の魅力は、音楽を通して10年を超えてもなお、その人と共に歩める可能性があることだと考えています。
実際に、3~4歳でピアノを始めた子どもが10年を経てショパンやリストの難曲を華麗に弾きこなせるまでになり、60代で歌を始めた方が70代の今も、ドイツ歌曲やオペラアリアに挑戦しながら生き生きと輝いています。
*1)リトミック:スイスの作曲家、音楽教育家が創案した音楽教育法。音楽に合わせて身体を動かす「リズム運動」や「即興演奏」、「ソルフェージュ」の3つの柱で組み立てられ、反射力、集中力、記憶力、創造性を育む。
2.具体的な内容
A.0歳児リトミック講座
(1)きっかけ
2013年、自宅教室の生徒募集のチラシが所沢市の職員の目にとまり、「子育て支援センターでのコンサートをお願いできないか」と依頼を受けました。当時、練馬区の「ポコアポコ音楽教室」にて、0歳~1歳児対象のリトミッククラスを受け持ち、親子への音楽指導を実践していたことを踏まえ、ピアノの名曲コンサート(聴く)と、リトミック(動く)を融合したイベントを企画し開催しました。
それ以降、所沢市小手指公民館分館の年間行事として、「ミニ・ピアノコンサート&元気にリトミック」と題し、年に1~2回のペースで開催しています。これが好評となり、近隣の公民館からも講演の依頼をいただくようになりました。
同公民館では年間を通じて「幼児の栄養」、「絵本の読み聞かせ」など、工夫を凝らした講座が開かれていますが、「ミニ・ピアノコンサート&元気にリトミック」は毎年一番人気のイベントだそうです。毎回、規定人数を大幅に超える申し込みがあり、音楽への関心が高いことが伺えます。
(2)内容 ~ミニ・ピアノコンサート&元気にリトミック~
事前予約・抽選20組程度の親子(0歳~1歳)に対し、50分間程度の講座を私一人で企画・進行します。当日は「愛育班」という子育ての大ベテランのボランティアスタッフが一緒に盛り上げてくださいます。「愛育班」の方が子守や子育て相談に乗る場面もあり、世代を超えた温かい地域交流の場となっています。50分の中で、前半は親しみやすいピアノの名曲を集めたミニ・コンサート、後半は広いスペースを活用し、ピアノの音に合わせて簡単なリトミックのレッスンを体験します。(小手指公民館分館では、客席をフラットな状態にし、ピアノと聴き手の目線を合わせることができます。)
ミニ・ピアノコンサートの曲目例…『エリーゼのために』(ベートーヴェン)『トルコ行進曲』(モーツアルト)、『子犬のワルツ&ノクターンOp.9-2』(ショパン)などクラシックの名曲、季節の曲や、人気ドラマの挿入曲や旬の曲(『パプリカ』、『Baby,God Bless You』など)を含めて10曲程度。
リトミックの内容…音楽に合わせて、歩く・走る・ゆっくり歩く・ストップ・ジャンプ・まわる・ゆれる・大きく手拍子・小さく手拍子など、音への即時反応や簡単なベビーマッサージを行います。
リトミックの使用曲…ジブリ、ディズニーソング、季節の歌や手遊び歌、『きらきら星』、ベートーヴェンの『ピアノソナタOp.13「悲愴」第2楽章』など。童謡、ポップス、クラシックを融合し、馴染みのある曲を使用しています。
(3)目的・指導上の留意点
子供たちが楽しめることはもちろん、日頃一生懸命に子育てをしている保護者たちにとっても、リフレッシュの時間となるよう工夫し、開催しています。親しみやすい選曲を心掛け、曲や作曲者についての簡単なエピソードをわかりやすい言葉で話しながら進行します。緩急をつけたプログラム構成で、飽きさせない工夫も必要です。
リトミック体験の際は、成長度合いに応じてそれぞれのペースで行うように案内しています。(月齢の低い子は抱っこで受動的に参加、歩ける子は自発的に動く、など)またリトミックの場合のピアノ演奏は、あまりアレンジを効かせすぎず、拍や強弱、テンポや曲調の違いを明確に奏でるように意識しています。
B.高齢者のピアノと歌のレッスン
(1)内容
大手楽器店にて、働き盛りの方からシニア世代の方まで、幅広い年齢層に向けての指導を経験したことがきっかけです。定年退職を機に、あこがれの『エリーゼのために』を目標にピアノを始める方/お孫さんとの共演を夢見てピアノを始める方/ご主人を亡くされ閉じこもり気味の生活の中で、声を出す機会を持つために歌を始める方/リハビリとボイストレーニングのために歌を始める方など、きっかけや目的は人それぞれです。
<ピアノ>
経験者も少なくありませんが、退職などを機に、人生のセカンドステージの楽しみとして、新しく始める方も多くいらっしゃいます。ある60代・男性は、二人のお嬢様が音大を卒業し、「ピアノと部屋が空いているから」という理由でピアノを始められました。ご自身は音楽とは無縁でしたが、今ではベートーヴェンのピアノソナタOp.27-2『月光』やショパンの前奏曲Op.28-15『雨だれ』といった名曲にも取り組まれています。すでに二人のお嬢様は独立していますが、長期休暇や年末にご家族が揃った時には、アンサンブルを楽しまれるそうです。
長く看護師として勤められた60代・女性は、退職を機に電子ピアノを購入しました。ハノンなど、基礎訓練をこなしながら、大好きな韓流ドラマの楽曲や、憧れの『エリーゼのために』に挑戦しています。
シニア世代のレッスンで取り組む曲は、クラシックの名曲はもちろん、『エデンの東』や『太陽がいっぱい』といった昔の映画音楽も人気です。原曲で弾くことにこだわりをもって長期的に一曲を練習する方や、弾きやすいアレンジ版で、テンポよくレパートリーを増やしていく方もいらっしゃいます。
<歌>
歌は特に、有酸素全身運動・体力アップ・リフレッシュ!というイメージから、健康志向やストレス解消のために始める方が多くいらっしゃいます。生徒は学校で童謡や唱歌を歌った以来という方がほとんどです。時々、趣味のカラオケの上達のために通われる方もいらっしゃいます。レッスンで取り組む曲は、童謡・唱歌や季節の歌から、『Caro mio ben』などのイタリア古典歌曲、シューベルトの『のばら』などのドイツ歌曲、オペラアリア、昭和のフォークソングや青春時代のポップスなどさまざまです。
また個人レッスンでも、講師(私)とパートを分けて二重唱を楽しむことができます。一人カラオケなどで個人で歌を楽しむこともできますが、お互いの音を聴き、一人では味わえない音の広がりを感じられることは、レッスンを受講する醍醐味と言えます。
シニア世代への指導は、ピアノ・歌ともに選曲にも工夫が必要です。シニア世代の好む曲を探るために、「歌い継ぎたい日本の歌」や「わが青春の~」といったテーマの曲集やテレビ番組を参考にすることもありますが、私自身は長く祖母と一緒に暮らしていたため、何よりもその経験が現在の指導に大いに役立っています。
レッスン中のたわいのない会話の中で「あの映画の、あの曲が歌いたいけど、難しいかしら…」などと、生徒さんが自ら希望を伝えてくださることもあり、できる限り、その想いに寄り添いながらレッスンしています。
(2)指導上の留意点
ホールでの発表会は敬遠される方が多く、ほとんどの方は毎回のレッスンで少しずつレパートリーを増やしていくことを楽しみながら継続されています。ピアノも歌も、頭では十分に理解できているのに思うように指が動かない・声が出ないという大人ならではの悩みと直面することがあります。無理のない具体的な練習法を提案し、前向きになれる言葉かけを工夫したうえ、良いところを伸ばす指導を心掛けています。
音楽でリフレッシュすること、音楽で元気になることが大切ですので、毎回のレッスンを気持ちよく終え、前向きな気持ちでご自宅に戻っていただくよう工夫しています。具体的には、レッスンの終盤は余裕をもって弾ける・歌える曲を楽しみ、気持ちよく締めくくるようにしています。
受講生の声:「苦手な歌を習いたいと訪れた体験教室で、小山恵先生の笑顔に一目惚れ、以来10年余り楽しく通っています。グランドピアノの伴奏で思いっきり歌える心豊かな贅沢な時間です♪」
C.ピアニストとしての活動
地域の方々へ気軽にクラシック音楽を聴いていただく機会を作るため、いろいろな企画を考えコンサートを開催しています。<ヴァイオリニストとのコンサート>
小手指公民館分館での「ミニ・ピアノコンサート&元気にリトミック」の縁で、近隣の新所沢公民館からお声がけいただき、0歳~夏休み中の小学生や、シニア世代の方を対象に、バイオリニストの長永明恵さんと50分程度のコンサートを開催しました。(2022年8月)小学生の夏休みの勉強にもなるよう、クイズ形式でピアノの話や、分数ヴァイオリン(*2)やヴィオラのレクチャーを演奏の合間に取り入れました。緩急のあるプログラムを心掛け、ラストの『情熱大陸』は客席から自然と手拍子がおこり、大いに盛り上がりました。
*2)分数ヴァイオリン:子どもの年齢、身長に合わせて作られたヴァイオリンで6種類ほどある。下記の写真を参照。
<教室でのコンサート>
主宰している教室の発表会では、聴衆の事も考え毎回工夫を凝らした講師・ゲスト演奏を行っています。開室初期の頃は、ピアノソロを私が演奏していましたが、やがてゲストを迎え、連弾やソプラノ歌手、ヴァイオリニストと共演するようになりました。生徒にとっては、ピアノ以外のさまざまな楽器や演奏形態に触れる良ききっかけとなっています。
演奏曲は、クラシックに限定せず、『マツケンサンバⅡ』や『真田丸』など、その時の話題性のある曲なども取り入れています。
クラシックの奥深さも伝えながら、意外性のある曲、ディズニーソングなど誰もが楽しめる曲を上手く融合し、聴衆が「最後まで聴いて良かった!また次回も来たい!」と思える20分程度のプログラムを工夫しています。
3.課題と抱負
(1)課題
人生100年時代となり、今後大人向け音楽レッスンの需要は高いと思いますが、個人教室では生徒募集が難しい現状にあります。問い合わせを待つだけでなく、自らアプローチする積極性や交渉力、発信力も磨いていきたいと思います。また共働きがあたり前の時代となり、子供のピアノレッスン状況も変化しています。
早期教育が良いとされ、多くの人が幼少期からレッスンを希望する反面、送迎が必要なくなる小学3年生頃からピアノを始める子や、ストリートピアノブーム、ピアノ系ユーチューバーの活躍から、高学年になってからピアノを始める子も増えています。逆に、加熱する中学受験の影響で、小3・小4の「いよいよこれから」という時期にレッスンを離れてしまう子も見受けられます。
指導者として、一人一人の目的や状況に寄り添って柔軟に対応できるように、こちらも自分の価値観を押し付けることなく、時代に沿った考え方やアプローチを模索し続ける必要があると考えています。
(2)抱負
今後も生涯にわたって音楽を楽しむ人のお手伝いができるよう、教室運営と公民館でのイベント、教室での講師演奏などを工夫を凝らして継続していきたいと思います。近年は、スマートフォンひとつで世の中の多くのことが完結する便利な時代となったうえ、コロナ禍により人と人とのつながりが失われつつあります。このような時代にも音楽を通して感動を共有し、人のあたたかさを感じるコミュニティを提供できるよう、音楽指導(レッスン)、演奏活動(演奏会の企画・ピアニストとしての活動)ともに邁進してまいります。
私の住む所沢市は、所沢市民センターミューズをはじめ、大小さまざまな素晴らしい音楽施設があり、市としても、「音楽のある街づくり」を掲げています。
私一人の力でできることには限りがありますが、同じ志を持つ地域の音楽家とのご縁も大切にしながら、地域音楽コーディネーターとしてさらに活動の幅を広げ、音楽で街を盛り上げていきたいと考えています。
●音楽教室tutti ホームページ
http://r.goope.jp/mstutti
(2023年2月6日公開)
※ 皆さまの活動を掲載しませんか? ご希望の方は、下記のページをご覧ください。
「皆さまの活動を掲載しませんか」
※ 音楽文化創造では、地域音楽コーディネーター資格取得の養成講座を実施しております。詳しくは下記をご覧ください。
「地域音楽コーディネーター」