活動事例

地域音楽 コーディネーター 活動事例

【事例紹介】音楽は心の栄養

(2023年04月14日公開)

地域音楽コーディネータ― フルーティスト 神奈川県 菅 博子さん

■活動テーマ:音楽は心の栄養
9人でのオカリナアンサンブル
9人でのオカリナアンサンブル
■開催日:2022年9月25日(日)開演 13時30分
■場所:神奈川県座間市 ハーモニーホール座間
■対象:幼児~70代

■活動内容

1.きっかけ

音大在学中にいろいろなところから出張レッスンの依頼を受け、その経験よりフルート指導の楽しさと充実感を知りました。現在演奏家・講師の仕事を20年以上続けています。演奏家として大学卒業後、ピアニストと一緒に保育園へ出向いての演奏や、マリンバ奏者、フルーティスト、声楽家とのアンサンブルコンサートも開催しています。

この様々な音楽活動を通して常に考えているのは、『音楽は心の栄養である』ということです。食べ物が体の栄養になるように音楽は心の栄養になり人間にとって必要不可欠です。この心の栄養素である音楽を地域の多くの方へ届けたい!という思いが、私の音楽活動の原動力になりました。コロナ禍になって3年近い期間、多くの音楽家と一般の学習者は演奏会・発表会自粛や延期など、制限される日々を過ごしました。2022年になり、ようやく行動制限が緩和されてきたのでコンサートの企画を再開しました。


2.具体的な内容

(1)コンサートの目的

  1. 多くの制限により叶(かな)わなかった「家族で一緒に」「友達と一緒に」ライフスタイルを改善する。
  2. 家族や友人等と一緒に音楽を楽しみ、世代を超えたコミュニケーシの場を提供する。
  3. ピアノや木管楽器、声楽の演奏者を集め変化のあるプログラムを作り、参加者とともに聴衆にも一緒に楽しんでもらう。

(2)参加者

「〜世代をこえて〜アンサンブルコンサート」という企画に沿って、まず私のフルートやオカリナの生徒に声を掛けることから始まりました。次に一緒に企画を立ち上げてくれたピアニストの生徒、地域のアマチュア団体、ご家族などにクチコミや紹介していただき、最終的に幼児から70代の方の幅広い年齢の方に参加してもらいました。

(3)コンサート内容

コンサートは2部構成にしました。一部は参加者がアンサンブル演奏をする部です。親子ピアノ連弾、歌とピアノの親子演奏、友人とのフルートデュエット、コカリナ(*1)5重奏、フルート3重奏、9人でのオカリナアンサンブルなど、バラエティ豊かなプログラムになりました。

*1)コカリナ:ハンガリーの土産店で販売されていた木の笛(素材は桜の木)をフォークシンガーの黒坂黒太郎が改良を加え楽器として精度を高めたもの。日本コカリナ協会がある。


2部は、私を含んだ主催者とプロによる演奏で参加者が聴いて楽しむコンサートの部です。声楽とフルート、オカリナ、ピアノのアンサンブルをメインに、ピアノ連弾、フルートデュエットも加えました。また皆で歌う企画の代わりに声楽家が客席まで足を運び、ヴェルディ作曲オペラ椿姫より「乾杯の歌」を歌い聴衆と乾杯を楽しむ(ワイングラスを持つだけで中身は有りません)などの場面も工夫致しました。

(4)成果

プログラム構成は先に書きましたように多彩なアンサンブルを行いました。演奏曲はキッズソング(大きな古時計・ありがとうの花他)、クラシック(くるみ割り人形・ドップラーのアンダンテとロンド他)・ポピュラー(タイム・トゥ・セイ・グッバイ・美女と野獣他)沖縄ソング(さとうき畑)など幅広い音楽ジャンルから選曲し参加者、聴衆の皆様にも大満足していただきました。特に1部は音楽を通してのきずなが深まったように感じこのコンサートの目的が達成されたこと、主催者としてうれしく思いました。会場はプロが使用する音楽ホールということもあり音響も良く、ふだんこのようなステージで演奏する機会がない生徒はとても満足されていました。下記が参加者の感想です。

<参加者の感想>

  • ・ママとパパと一緒にピアノを弾(ひ)けて楽しかった。(幼児)
  • ・緊張したけど、ステージでアンサンブルを経験して楽しかったです。(40代女性)
  • ・他の方の演奏も聴けて刺激になりました。(50代女性)
  • ・先生方の演奏がすばらしかったです。(50代男性)
  • ・久しぶりに音楽を楽しんだ1日でした。(60代女性)
  • ・音楽はやっぱり良いですね!(60代男性)
  • ・親子で演奏する姿がほほ笑ましかったです(60代女性)
  • ・オカリナの音色は沁(し)みますね(60代女性)
  • ・9人全員で合わせたのは初めてだったけどうまくいった気がする。(70代男性)
  • ・大人だからと思ったけど、乾杯に子供より手を伸ばしていました!(70代女性)


3.課題と抱負

集客面では宣伝告知の方法が、ほぼ口コミだけでしたので目標の150人に対して80人前後でした。今後の広告宣伝に対してはSNS等も活用する必要があると感じました。収支は、辛うじてプラスになりましたが外部演奏者を多数お願いしたこともあり、人数・謝礼について検討せねばなりません。舞台転換については余裕を持つ進行等含め運営的な課題が残りました。
今後の抱負としては今回のコンサート企画で出た様々な課題を改善すること、そして自分の住んでいる地域をもっと把握し、地域に根差した参加しやすい楽しい音楽企画を提供していきたいです。また保育園や小学校などへ出向いてのアウトリーチ・コンサート活動・後進の指導など、音楽を聴く喜び、歌う・奏でる喜びを伝えていく活動をひき続き邁進(まいしん)したいと思います。


(2023年4月14日公開)


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