活動事例

地域音楽コーディネーター 作編曲家 エフエムさいきパーソナリティー アイリトミックスクール主宰 大分県 吉岡愛梨さん

うたが生まれるとき~音楽×詩×絵~
うたが生まれるとき~音楽×詩×絵~
執筆者の写真
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■活動テーマ:
音楽から広がる世界
■目次:
■活動開始時期:
2020年から現在
■場所:
大分県佐伯(さいき)市を拠点船頭町ワキタビル1階ブルートロワ、及び佐伯城山さくらホール他
■対象:
全年齢(講座は20歳以上が対象)
■活動内容

1.きっかけ

私が住んでいる佐伯市は大分県の南東端にある佐伯藩の城下町です。その地元のコミュニティラジオ局「エフエムさいき」のパーソナリティの一人としてお話を頂いたとき、「番組でクラシック音楽をより身近に感じてもらえるコーナーを作りたい」という企画を提案したところ、快諾していただいたことが現活動の全ての始まりでした。
この企画をした理由は、日本では現在もクラシック音楽のイメージはバッハ・ベートーヴェン等の作品に代表されるように「知的」「高尚」「堅苦しい」「敷居が高い」という声をよく聞きます。このことは教育、音楽家自身とマスメディア等様々な要因があります。約400年以上前からヨーロッパで誕生し、民族は異なりますが同じ人間が作った音楽というだけです。人の感情が揺さぶられるときに生まれるものが「音楽」というのは、古今東西どの音楽ジャンル(ポピュラー、ジャズ、JPOP,邦楽、民族音楽他)も同じだということをお伝えしていかねばならないと思いました。

2.具体的な内容

(1)目的

作曲家ならではの視点から、①おもしろ②おかしく③かんたんに音楽の基礎知識・教養を身に付けながら日本史や自然科学など、幅広い分野に対する知的好奇心を刺激し、楽しく学び合う空間づくりが目標です。

(2)内容

A.エフエムさいきパーソナリティーとして

番組ではいくつかのコーナーを設けています。「今日の音楽家のコーナー」は音楽家が残した名言(例:苦悩を突き抜け歓喜に至る=ベートーヴェン)そしてその音楽家と関係の深い曲を一曲、また「おもしろミュージックのコーナー」は、リスナーへ音楽の関わり有無に拘らず「へぇ~!」と、驚いていただけるのではないか?と思うマメ知識と共に縁のある音楽を一曲お届けしております。

B.アイリトミックスクール

数年前に始めたのがアイリトミックスクールです。知的好奇心を刺激して身の回りのいろいろなことに興味を持ち、様々なことを楽しく学ぶ力を付けることを目的として開講しました。対象は未就学児(3歳以上)から大人までです。レッスンでは、①短いクラシック音楽に合わせて行う体幹とリズム感を鍛えることを目的とした体操の時間②音に集中する鑑賞の時間を設けています。その中でちょっとしたマメ知識を紹介すると、生徒はじめレッスンに付き添ってくださっている保護者の方まで興味関心を持って聴いてくださるようになりました。

C.「シレッとコンサート」

年代を問わず身近な空間で音楽を気軽に楽しめる場を作りたいという想(おも)いから月に一度、地元のホールロビーで「シレッと現れシレッと終わる」をキャッチフレーズに15分間参加型のミニミニロビーコンサートを始めました。お買物や通院のついでに、学校帰りにフラッと、シレっと(*)といった感じでしょうか。

*シレっと:「何食わぬ顔で」「平然と」などの本来の意味とは少し異なりますが「参加します!」と、こちらに意思表明をせずに、「身構えず」「平然と」、自然体で加わってもらいたいという思いから付けました。

季節の歌や替え歌を歌ったり、ハンドベルを一緒に鳴らしたりします。その中でちょっとしたマメ知識をご紹介します。目の前の席に座ってくださる方はまだ少ないですが、遠方から参加してくださる方が徐々に増えてきています。必ずしもその場に座る必要はなく、「一緒にベルを鳴らしたいな」と思ったときに近寄りやすい雰囲気作りに努めていきたいと思っています。「また次回お会いしましょう~」で終わることを心がけています。

D.大人のためのミュージックサロン(講座)

「I musique salon~あいムジカサロン~」
このサロンを開設した背景は「シレっとコンサート」にお越し下さった方とFMラジオのリスナーから、時折紹介する豆知識が面白いと好評で「大人のための音楽講座を開いてほしい」とのご要望を応え始めました。対象は20代~80代まで幅広い年齢層の方です。今年の6月を皮切りに偶数月に開催しています。キャッチコピーは「さて、今回のお話はあなたにとって、目からウロコ?それとも知ってて当たり前?」としてお届けするシリーズです。基本的には私の主宰する音楽教室で年4回開催しています。興味はあるが、講座日程が予定と合わないという方々には、5人以上お集まりいただくことを条件に出張講演も行っております。
初回は夜に開催しましたが昼の時間帯の要望も多く、二回目からは昼・夜の部の2公演を同じ内容で行っています。ゆっくり、まったりした時間をお過ごしいただきたいので定員は10名とし、興味を持ってもらえるよう必ずその回のテーマの参考になる資料を作成・配布しています。クラシック音楽とその裏に隠された作曲家のエピソード、関係の深いマメ知識をご紹介することで、よりクラシック音楽を身近に感じられるように取り組んでいます。また童謡・唱歌等を自編曲したものも演奏しています。

【各講座の内容】

6月「ジューンブライド~愛の音楽~」
6月と言えばジューンブライド。「6月に結婚式を挙げると幸せになる」と言われています。その由来といわれている3つの説をご紹介すると同時に、日本の結婚式についての話、それらにちなんだクラシック音楽を数曲ご紹介しました。
一例としてリヒャルト・ワーグナーのオペラ「ローエングリン」より「婚礼の合唱」を取り上げました。結婚式の定番曲として好んで使用される楽曲が、どのような物語のために作られたものなのか、その時代背景なども踏まえてご紹介しました。また6月は梅雨という季節にちなみ、日本の童謡「かたつむり」を通じてのマメ知識をご紹介した後、自編曲した「エスカルゴファンタジー」を演奏しました。

8月真夏の夜の怪談
夏と言えば「肝試し」という慣習にちなんで、「怪談」に関連したクラシック音楽を数曲紹介しました。
一例としてフランツ・シューベルトの歌曲「魔王」(詩:ゲーテ)を取り上げました。実は他にも多くの作曲家がその詩に魅せられて曲を作って います。その聴き比べを中心に、イタリアの作曲家・ヴァイオリニストジョゼッペ・タルティーニのヴァイオリンソナタ「悪魔のトリル」などをご紹介しました。その結果、身近な音楽に感じることができたという感想を頂きました。8月の日本の童謡は6月講座の際に頂いたリクエストにお応えする形で、わらべうた「通りゃんせ」を取り上げ数々の説を紹介後、演奏をお届けしました。

10月「皮肉満載!?動物の謝肉祭」
前回の講義後に頂いたアンケートの中に「1人の作曲家にスポットを当てたものも取り上げて欲しい」とのご希望に添う形でサン=サーンスに焦点をあて、皆が一度は聴いたことのある「動物の謝肉祭」を中心に関連のある楽曲を数曲紹介しました。10月の童謡は「だいこくさま」をお届けしました。

12月「クリスマス ロマンス」
今回もアンケートより「ミュージカルの楽曲も取り上げて欲しい」「音楽の構造が知りたい」「歴史と音楽の関わりに興味がある」とのご意見を頂いたのでクリスマス時期だったこともあり、クリスマス関連の深い曲を時代背景とともに紹介しました。取り上げた曲としては20世紀イギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンの「キャロルの祭典 作品28」より「この小さな赤子は」の他、皆が良く知っている有名なクリスマスキャロル「きよしこの夜」「もろびとこぞりて」との聴き比べを行い、その後どのキャロルが好みだったかを伺いました。この年最後の回になるので冬のメドレーを演奏しプレゼントとさせていただきました。

2024年2月「おかしのおかしなミュージック」
お菓子にまつわる関係の深い楽曲、ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「ウイーンのボンボン」他を音楽家の逸話を含めてお届けしました。

E.その他

小さい子どもと保護者が一緒に音楽を聴ける空間作りを目的に、文学・音楽・美術を合わせた「詩×音×絵」<うたが生まれるとき>、というテーマでコンサートを2024年2月11日開催いたしました。

3.成果と課題

講座では毎回アンケートを実施しています。主催者として受講者が何に興味があるか、また今後どのようなことが知りたいか等、受講者のニーズを把握しその結果を基に内容を構築することは重要と考えます。より楽しく、ホッと息抜きをしながら音楽を楽しめる空間を作っていきたいと思っています。「シレッとコンサート」は、座る場所を指定せず参加者の自由にしています。必ず目のまえの椅子に座るのではなく、ちょっと離れた場所にある椅子からこちらを眺めても、2回の階段の途中から見ても良いのです。うれしいことに参加者が増えてきておりますので、いろいろな方々が一体となって楽しめるコンサートにすることが今後の課題です。

4.抱負

多くの人々が音楽を通じて縁を結ぶ一助となり、心が豊かになって頂きくことが私の目標です。また音楽を中心に歴史・科学・言語など様々な分野につながりを感じながら、日常生活の身近なことに対して興味関心を高めることで、生活が豊かになってほしいと願っています。例えばクリスマスの時期、日本人はキリスト教徒でもないのにチキンやケーキを買って家族で祝いますが、クリスマスがどのような意味か改めて考えたことはないと思います。多忙な人・歌が苦手な人・楽器を演奏できない人・どのような人でも気軽に集まり声を掛け合い歌を口ずさみ、音があふれる・音楽が流れている…佐伯市をそんな街に作っていきたいです。そして将来的には「市民の、市民による、市民のための音楽会」を開催することが最大の目標です。

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