活動事例

協議会 活動事例

【事例紹介】「いつでも、どこでも、楽しく、始めよう!」

(2020年11月09日公開)


全国生涯学習音楽指導員協議会九州支部会員 鹿児島県熊毛郡中種子町 冷水精子さん

■活動タイトル:「いつでも、どこでも、楽しく、始めよう!」

【私の活動目標】
公益財団法人音楽文化創造主催の生涯学習音楽指導員講習会(C級、B級、A級)で各分野専門家の講義で得た知識と実習を活かし、また文献も参考にし、「いつでも、どこでも、楽しく、始めよう!」をコンセプトに地域での音楽仲間づくりと、学校の教師、職員に対して授業や実践に役立つ研修等の活動をしております。

その基本となるのは、1994年に制定された「音楽振興法」の理念です。生涯学習音楽指導員として地域自治体関係者や教育者等へ普及啓蒙する事、及び生涯学習の柱である学校教育と社会教育が音楽の力によってより発展していくことが目標です。今回は私の活動の中の二つをご紹介させていただきます。

No.1
■ 活動タイトル:ハンドベルシンガーズ演奏会
■ 日時:2019年12月20日 午後6時~
■ 会場:種子島こりーな リハーサル室
■ 対象:幼児から大人 計70名

■ 活動内容:
【教室設立の背景】
中種子(なかたね)町の教育委員会は生涯学習活性化推進を目的に、年齢に関係なく誰でも手軽に楽しめる場づくりとして町民参加を促しています。会員募集等は町の広報課が広報誌への掲載など積極的に啓蒙促進をしていただきました。また練習会場や演奏会等の会場等も教育委員会が全て無償で提供してくれます。地域の自治体との連携と協力あってできる活動です。

指導にあたって心掛けていることは、「楽譜が読めなければ出来ない」という観念をなくし、身近に出来る音楽を楽しむことです。「いつでも、どこでも、楽しく」を目標に浸透させる努力を続けています。

イングリッシュハンドベル演奏会は中種子町の文化施設である「種子島こりーな」のリハーサル室で2時間程、70名もの方々に参加していただきました。参加者は町の生涯学習講座の生徒や以前「子ども夢基金」活動に参加した方々です。70才以上の方で個人で楽器を所有している方にもコンサートへの参加の呼びかけをしています。「待っていました」と言わんばかりに喜んで参加してくれます。老人クラブからはハーモニカの演奏、手作り紙芝居をイングリッシュベルとコラボレーションいたしました。聴衆者の前で演奏を披露することによる喜びと満足感を感じていただけ、指導員として感無量です。


・イングリッシュハンドベル演奏の様子


・子どもたちとイングリッシュハンドベルのアンサンブル演奏


・イングリッシュハンドベル練習の様子


No.2
■ 活動タイトル:小学校、中学校、高等学校の職員の実技指導研修
■ 日時:2019年7月~9月
■ 会場:中種子町立A小学校、B小学校
■ 対象:学校職員10名、小学4年生と5年生計20名

■ 活動内容:
【活動を始めたきっかけ】
私が地域の教育委員をしていた関係で、各学校訪問で音楽の授業を参観したのがきっかけでした。その時「このような型どおりの授業では、子供たちへ音楽の本当の素晴らしさと楽しさを伝えることが出来ないのではないか」また「教師は指導する際に指導要領のもと、決められたカリキュラムをこなす事に懸命で、生徒の心に響き、何十年たっても記憶に残るような授業はあまりできていない」と感じていました。そこで校内研修や町音楽部会教師への実践指導研修を呼びかけ始めることに至りました。

【研修をするにあたって】
各学校で行われている音楽の授業をさらに楽しく、楽典やリズム指導、楽しい歌唱指導等、「いつでも、どこでも、楽しく、授業や実践に役立つ指導」をモットーに、
  1. 指導者自らが音楽を楽しむこと
  2. 生徒に生の音を実際に聴かせて感動させ、演奏を通して達成感を味わわせること
というポイントで下記の内容を考えて指導いたしました。

【教師研修の具体的な例】
  • 音楽教育の目的を確認する
  • 言葉遊びをゲーム感覚で行う
  • 輪唱を楽しむ(ストレッタカノン)
  • サイレントシンキング
  • パートナーソング(お互い違う歌でハーモニー)
  • 面白替え歌(かたつむりの歌詞で矢切の渡し等)
  • 音符で神経すいじゃく(トランプ感覚)
  • 替え歌紅白歌合戦等
  • 歌唱指導のアイデア、合奏指導の工夫、小規模校の取り組み
  • ピアノが出来ない教師の簡単伴奏法等
その他毎日の学校生活の中で音楽の授業はもちろん、ホームルームや各教科と連動して生活の中に楽しく音楽が密着していく指導を目標に行っています。


【A小学校教員研修の始まりです】

・順番に声を出しています。

・リズムにのって歌っています。

・生徒と職員の合唱指導です。


・身体を使ってパーカッション?

【B小学校 楽しい研修の始まりです】

・楽しい研修の始まりです

・リズム指導

・声を出す練習しています

・輪唱をしています


小規模校で全国から留学生も来ています。留学生が早く学校になじむよう、友達の輪が大きく広がるよう、生徒たちの心と身体に響く音楽指導をしています。毎日のホームルームや家庭でも楽しめるよう実践指導します。みんな仲良く歌遊び、先生方は間違わないよう必死です。




・アカペラコーラスでミュージカルの雰囲気を楽しんでいます。

【研修指導の報告】
いくつかの学校の指導者研修を行いましたが、どの学校も職員一同真剣に取り組んで下さいました。研修終了後に、先生方に感想やこれからの希望や取り組みを書いていただき、また質問等を伺いました。

多くの教師の方から、「目からうろこが落ちた」とか、「アイデアや色々なコツを学び、早速実践に生かしたい」など多くの声をいただきました。

【今後へ向かって】
教師の方々へは固定観念を取り除き、大事な成長期に心に響き、心に残る音楽の教え方を研究して欲しいと願っております。そのためには今後の研修依頼に関しては、「楽しくなければ音楽じゃない」というところをさらに研究を進めて伝えたいと考えています。

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